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 今日のテーマトークは、山階鳥類研究所保全研究室の出口智広研究員にお話いただきました。テーマは、「チャタムアホウドリの新繁殖地形成について」でした。
 はじめに、小笠原諸島の聟(むこ)島でのアホウドリ再導入の経過と媒(なこうど)島での自然繁殖の可能性について、最新情報をお話くださいました。また、野生動物の復活を成功するためには、地元の保全への理解が大切であること、そのための普及活動にも力を入れているお話も印象的でした。
 本題のチャタムアホウドリの保護活動については、チャタム島の南の断崖絶壁の孤島ピラミッド島の繁殖コロニーからチャタム島へ新繁殖地を形成させるためのタフなプロジェクトについて、現地での活動の写真や動画をふんだんに使った臨場感あふれるお話でした。
 ウエカやチャタムヒタキの復活成功例などよく知られていて、ニュージーランドは保護活動の先進地という印象が強く、そのことはまちがいないのですが、活動の原動力は、全てNPOなど民間であるというお話に驚きました。
 ニュージーランドでは、財政事情が困難な状況でも、保全活動が文化として定着していることを伺い知ることができるお話でした。