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投稿者: someya
 11月3日、4日はジャパンバードフェスティバル2018が開催されました。天候に恵まれ、多くの来場者で賑わいました。
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 会場のひとつとなっています鳥の博物館も来館者で混み合っていました。ご来館いただきましてありがとうございました。
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 館内では「ハシビロコウの帽子づくり」と展示をみて答える「鳥博クイズ」を実施しました。好評で時間内に定員いっぱいとなってしまいました。次回もイベントを開催予定です。お楽しみに!
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 屋外イベントの「てがたんinJBF」では会場周辺の身近な自然をご紹介しました。
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 会場では鳥の博物館友の会のテントブースやミュージアムショップも賑わっていました。
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 市民スタッフのみなさん、友の会のみなさん、JBFボランティアのみなさん、2日間お疲れさまでした。
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投稿者: odaya
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11月4 日(日)に、JBFゲストトークを実施しました。「海ゴミ GO ME! 〜ゴミが鳥や動物に与える影響、減らすために私たちができること〜」と題して、神奈川野生動物救護連絡会の葉山久世さんにお話しいただきました。

葉山さんは獣医師として、神奈川県で野生動物の救護事業に携わってこられました。保護されてくる野生鳥類の救護原因は、犬・猫による捕獲や巣立ちヒナの誤認保護が多いようですが、釣り糸や釣り針が原因のものも多くあり、こうしたことから海岸に漂着するゴミについて関心を持ったそうです。

実際に釣り糸・釣り針が野生動物に悪影響を与えた例を、カモメ類、カワウ、カワセミなど多くの被害鳥の画像を使って紹介いただきました。こうした釣り糸や釣り針による被害は、元気なうちは捕獲することが難しく、保護できるのは死が近づいてからになってしまうため、救護されるのは被害鳥のごく一部です。そのため予防が重要になるわけですが、各地域によって釣りに関わるゴミの種類やそこにいる鳥の種は様々であるため、各地域の状況に応じた対策が必要となる、とのことでした。

海岸に漂着するゴミを調べると、場所によって異なるものの、人工物由来のゴミのうちおよそ50%ほどがプラスチックのごみでした。プラスチックは紫外線や波風を受けて細かく砕けて、マイクロプラスチックと呼ばれる小さい粒になります。こうした粒はPCB(ポリ塩化ビフェニル)などの有害な物質を吸着して、周囲の海水の数十万倍もの濃度で蓄積していることもあるそうです。こうしたマイクロプラスチックが野生動物に与える影響はまだ未解明の点が多くありますが、ミズナギドリの仲間では、胃の消化液によって化学物質が溶け出してしまい、体内に取り込まれることが分かっています。私たちがプラスチックを日常的に使い、捨てるようになってから、まだ50年ほどしかたっていませんので、今後どのような影響が起こりうるのか、きちんと研究していく必要があるとのことです。

それでは、海のゴミに私たちはどのように向き合えばよいのでしょうか?
まず、できるだけゴミを出さずに適切な方法で処理を行うこと、自然環境の中に流出してしまったゴミについては、マイクロプラスチックになる前にできるだけ多く除去するため、ゴミ拾いを続けることが重要だそうです。また、ゴミ拾いの活動をすることによって、ゴミを意識し、ゴミを少なくすることや適切な分別の意識を高めることにつながるのではないか、と葉山さんはおっしゃっていました。

今回は29名の方にご来場いただきました。お話しいただいた葉山さん、ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。
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投稿者: odaya
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11日3日(土)に、第28回JBF鳥学講座をアビスタホールにて開催しました。今回は「スズメ研究のススメ」と題して、北海道教育大学函館校准教授の三上修さんにお話しいただきました。

スズメは私たちに最も身近な鳥ですが、知っていそうで知らないことがたくさんあります。まず、スズメの住んでいる都市の環境についてお話しいただきました。日本の鳥のおよそ600種のうち、カルガモ、ハシブトガラス、ハクセキレイなど、30〜50種が都市にも生息しています。都市環境は、餌は一般に考えられているよりも豊富で、小鳥にとっては天敵が少なく、冬の気温が高くて安全である、などの利点があるそうです。森林など他の生息地と比べると、種数は少ないけれど、個体数は多い、というのが都市の鳥類の特徴と言えるようです。

続いて、スズメの基本的な姿かたちや生態についてお話しいただきました。スズメの成鳥は頬に黒い斑があり、喉が黒いことが特徴ですが、生まれてから数カ月の間はこの黒い部分がはっきりしません。スズメの繁殖期は春から夏で、東京では3月に巣作りがはじまり、4月に産卵、5〜8月に子育てを行います。スズメは、人家の隙間などの人工的な構造物を巣づくりの場所として利用することで、都市を主な生活の場としています。

では、身近な鳥であるスズメの数はどのように変化しているのでしょうか? 三上さんは、各地での個体数調査、農作物の被害面積、標識調査や狩猟での捕獲数など、様々な方法でとられたデータを解析し、その全てがスズメの減少を示唆していることを突き止めました。1990年ごろと比較すると、現在ではおよそ50〜80%ほど減少していると推定されるそうです。

その原因を突き止めるため、巣をつくる場所に注目して調査を行った結果、2000年以降に建てられた新しい住宅地では、古い住宅地に巣の密度が1/2〜1/3になっていることが分かりました。また、NPO法人バードリサーチと協力して「子雀ウォッチ」という調査を展開し、全国でひと家族当たりヒナが何羽いたかを市民調査によって明らかにしました。その結果、403例のデータが集まり、特に都市部で巣立ち後のヒナの数が少ないことが分かりました。これらの結果から、巣を作る場所が少なくなり、1家族あたりのヒナの数が減っていることが、近年のスズメの減少に影響していることが分かってきました。
他にも、巣立った子スズメがうまく育っていない可能性や、親スズメの死亡率が高くなっている可能性も考えられるそうですが、これらの情報はなかなか検証が難しく、スズメの減少の要因については、まだ完全に解明されたわけではありません。今後のご研究が楽しみです。

最後に、スズメと人とのかかわりについてお話しいただきました。鳥が街中にいることは、糞や騒音などのデメリットもありますが、昆虫や雑草を食べてくれる、自然を感じることができるなどのメリットがあります。また、文学、絵画、食からアニメまで、様々な場面にスズメが登場することを紹介いただきました。これらの文化的な価値は、スズメが身近にいるから、私たちがスズメのことを知っているから受けられるものです。知っているからこそ価値を感じ、それが社会全体の中で共有されていくことで、「スズメが身近にいる価値を引き継ぐサイクル」が回っていくとよいのではないか、というお話がとても印象に残りました。

質疑応答の時間では、会場から様々な質問やコメントが飛び交い、多くの方がスズメや身近な鳥に対して持っていた疑問が解け、鳥たちのことをより深く知ることができたのではないかと思います。
今回は、161名の方にご来場いただきました。お話しいただいた三上さん、ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。また、会場の収容人数の上限からお断りせざるを得なかったみなさま、大変申し訳ありませんでした。来年以降の実施方法について再度検討を行いたいと考えております。来年の鳥学講座を楽しみにお待ちください。
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投稿者: odaya
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10月20日に、10月のテーマトークを開催しました。今回は、山階鳥類研究所自然誌研究室室長の山崎剛史さんに、「フクロウの翼のひみつ〜その知られざる苦労〜」と題してお話しいただきました。山崎さんは生物模倣工学(バイオミメティクス)の研究者と共同研究を行い、フクロウの翼の構造について研究されています。
フクロウ類の多くは夜行性で、狩りを行う時に獲物に気付かれないように静かに飛ぶことができます。まず、フクロウが飛んでいるときにどれだけ静かなのか、昼行性の鳥であるハヤブサとハトの羽音と比較した動画を見せていただきました。確かに、同じ場所を同じように飛んでいても、フクロウの翼からはほとんど音が出ていません。

このように静かに飛べる理由は、翼に特殊な構造「セレーション(serration:のこ切りの歯状の縁)」が発達しているからだと言われています。セレーションは、翼の前縁にあるギザギザで、翼で風を切った時にこの細かいギザギザによって空気の流れの乱れが起こらず、風切り音が小さくなるようです。

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▲コミミズク(主に夜行性・哺乳類食)の風切羽に見られるセレーション。

静かに飛ぶことは他の鳥にも有利な特徴のはずですが、不思議なことに、セレーションが見られるのは主にフクロウの仲間に限られます。これはなぜなのでしょうか?セレーションには何かデメリットがあるのでしょうか。
山崎さんたちは、これを確かめるために世界のフクロウ科の様々な大きさ、食性、行動の特性をもった49種の翼にあるセレーションの長さや発達度合いを比較しました。

すると、セレーションの発達度合いには、種ごとに大きな違いがあることが分かりました。セレーションは夜行性の種のほうが昼行性の種よりも発達していました。夜間の狩りには音を消すことが重要ですが、昼間の狩りにはそれほど影響しないのかもしれません。
さらに、主に食べる餌の種によっても大きく異なり、哺乳類食>昆虫食>魚食の順にセレーションが発達していたことが分かりました。水の中では空気中の音はあまり聞こえなくなるので、魚を食べる種にとってはセレーションは必要ないのかもしれません。

これらのことから推測されるのは、狩りをする時間帯、餌とする動物などの生態の変化によって、セレーションがすぐに失われてしまう進化が起こるのではないか、ということです。このことから、セレーションに何らかのデメリットがある可能性が考えられます。
そこで、翼の形状ごとに物理モデルによる解析をおこなった結果では、セレーションは羽ばたき飛翔の効率を下げることが分かったそうです。こまめに羽ばたいて採食することの多い昆虫食のフクロウで、セレーションの発達が悪かった理由は、発達したセレーションは羽ばたきの効率を下げてしまうからである可能性があるとのことでした。

フクロウのなかまは、セレーションによって静かな飛翔を獲得したのと引き換えに、飛びにくさという「苦労」をしていたのかもしれません。

今回は、40名の方にお集まりいただきました。ご参加いただいたみなさま、お話しいただいた山崎さん、ありがとうございました。
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投稿者: saito
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 8月のテーマトークは、山階鳥類研究所自然誌研究室研究員の浅井芝樹さんにお話いただきました。今日のテーマは、「白い羽色異常はどういう仕組みで起きる?」でした。
 野外で白化した鳥が見つかると、しばしばニュースに取り上げられ、例えば「アルビノのツバメ発見!」などの見出しがつけられます。しかし、これはまちがった用語の使い方であったということがよく分かるお話でした。
 アルビノの定義は、メラニンを体内で生成する時に必要なチロシナーゼという酵素を全く持たない色素異常であり、したがってアルビノ個体はメラニン色素を全く持ちません。羽色の白化に少し知識のある方ならば、アルビノは、虹彩にもメラニン色素が無いため、赤目であることをご存知かも知れません。虹彩にメラニン色素を持たない目は、絞りの無いカメラのようなもので、焦点が合わず、視覚をたよりに生きる鳥にとっては致死的異常だそうです。こうした理由から、野外でアルビノの個体が生き残ることは困難だろうとのことでした(アルビノではないがInoというメラニン色素が大きく変形する色素異常個体では、視力は保ったまま赤目になる場合があるため、アルビノと誤認されがちなので要注意とのこと)。
 なお、野外で見られる白化について、次の6つの要因を紹介してくれました。
 ①Leucism(発生段階でのメラニン色素の体全体への配分異常)、②Progressive greying(年齢や病気による進行性灰色化)、③Brown(ユーメラニンの変形による褐色変異)、④Dilution-pastel(フェオメラニンとユーメラニンの減少による淡色化)、⑤Dilution-isabel(ユーメラニンの減少による淡色化)、⑥Ino(フェオメラニンとユーメランが大きく変形することによる色素異常)、以上です。
 今日のお話を聞いた人は、これからは野外で白化個体を見つけたとき、原因が何かとても気になることでしょう。
 今日のお話の基となったのは、イギリスの雑誌British Birdsに掲載されたHein van GrouwさんのWhat Colour is that bird?という記事だそうです。より詳しく知りたい方は、Google Scolarで入手可能ですのでぜひご覧ください。
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投稿者: saito
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 7月26日(木曜日)に引き続き、手賀沼課との共催で「手賀沼のプランクトンと水鳥を観察しよう」を実施しました。
 今回は、19人の小学生と10人の保護者、総勢29人が参加しました(前回は、小学生9人、保護者4人の計13人参加)。
 午前中は、ペットボトルと台所の水切りネットを使ったプランクトンネットづくり、午後は、手賀沼遊覧船での船上バードウオッチングとプランクトン採集および観察と盛りだくさんでした。
 船上バードウオッチングでは、カルガモ、コブハクチョウ、カワウ、オオバン、カイツブリ、コサギ、ダイサギ、アオサギ、ツバメ、サシバなど見られました。船尾でボラの稚魚がさかんにはねていました。水縁には、ナガエツルノゲイトウやオオミズキンバイなど特定外来生物に指定されている侵略的外来植物がそれぞれ白と黄色の花を咲かせて繁茂しているのを皆で確認しました。
 手賀沼で採集したプランクトンを観察した結果、クンショウモやクラミドモナス、ボルボックスなどの緑藻類やメロシラ、エスガタケイソウ、イカダケイソウなどの珪藻類などの植物プランクトンのほか、ワムシの仲間やラッパムシなどの動物プランクトンも見られました。
 参加者は、これまであまり見たことの無い微小な顕微鏡下での生き物観察や水上からという非日常的な視点からの鳥の観察をそれぞれ楽しんでくれたようです。
 
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投稿者: saito
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 今日の鳥博セミナーは、現在開催中の企画展「我孫子の都市鳥展」に関連して都市鳥研究会副代表の越川重治さんにお話いただきました。
 「とかく嫌われ者のムクドリだが、その生態を知るときっと親しみがわくはず。今日はそんなお話をしたい。」という前置きから始まり、「ムクドリは本当に残念な生き物か?」というテーマでお話されました。
 始めに、小林一茶や野中兼山など江戸時代の句や書に出てくるムクドリや、宮沢賢治の童話「鳥をとるやなぎ」でのムクドリの描写など、昔から人はムクドリをさまざまな形で意識していたことを紹介されました。また、ムクドリの仲間やムクドリの分布域など基本的なことも紹介され、ムクドリについて一般的な情報を皆共有できました。
 また、身近な鳥なのに意外に知られていない日光浴のしぐさなど、ムクドリが思いのほか個性的であることが分かる画像がいくつか紹介され、ムクドリがより身近になりました。
 その上で、ムクドリの繁殖生態について紹介されました。架設した巣箱での観察により、餌条件など繁殖条件が悪くなる繁殖期の後半では、前半に比べて一巣卵数も少なく、孵化時期に差が見られるようになることなど、繁殖時期による繁殖活動のちがいなども紹介されました。このほか、交尾シーンや巣箱をめぐるメス同士の激しい争いのシーンの映像もあり、ムクドリがどのように子育てしているのか、よく分かりました。
 次に、ムクドリの生態系の中での働きについてのお話の中では、農業害虫と言われる昆虫類を食べるほか、樹木の種子散布の役割を担っていることが紹介されました。ムクドリは、果樹の食害や塒(ねぐら)での騒音や糞害で嫌われていますが、生態系の一員として重要な役割を果たしていることが分かりました。
 最後に、ムクドリの塒についてお話され、近年、塒が郊外から都市へ移って来ていること、特に高いビルが立ち、人が多く、明るい駅前を好むことが紹介されました。そして、特に高いビルがあることが、ムクドリが塒を選ぶ重要な要素であることを各地の調査結果をもとに示されました。
 さらに、多くの自治体が行っている駅前のムクドリの追い出しについては、個々に追い出しを行うだけでは、もぐらたたきのように、ほかの自治体へ一時的に追い払うだけであること。解決には自治体の広域的な連携と、ムクドリの塒をそれぞれ少しずつ受け入れることが必要であることを強調されました。
 今後は、ムクドリの生態系サービスへの貢献度も考慮し、塒での騒音や糞害への対応についても、単純に追い払うだけではなく、ある程度許容することも市民のコンセンサスを得て計画に含め、人とムクドリがほどよく関わり合うことができるような方向性を目指すことが必要だと思いました。
 市内・市外からご来館くださった58人の皆様、講師の越川さん、ありがとうございました。
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投稿者: odaya
鳥の博物館3階の常設展「世界の鳥」コーナーにワタリガラスの剥製を展示しました。
ワタリガラスは、日本では北日本の一部でしか見られない鳥ですが、世界的には分布が広く、ヨーロッパやアメリカでは普通種です。古くから人に親しまれ、神話や伝説にも登場する人との関わりが深い鳥です。

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▲ワタリガラスの本剥製標本。この鳥は雌の幼鳥(第一回冬羽)です。

この標本は、スウェーデンで拾われた死体から作られたもので、標本交換によって鳥の博物館にやってきたものです。研究用の剥製の形で受け入れましたが、展示のために剥製師さんによって義眼を入れてもらい、展示用の本剥製の形に作り直してもらったものです。
国内で見られる亜種よりも少し小さいようで、並んで展示されているハシブトガラスと同じくらいの大きさです。逆に考えると、本州のハシブトガラスの大きさに驚かされます。

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▲カラス類3種の展示。上から順に、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ワタリガラス。

ハシブトガラスやハシボソガラスと嘴の形や、羽毛の光沢の違いを比べてみましょう!
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投稿者: saito
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 今日は、山階鳥類研究所客員研究員の園部浩一郎さんに「博物画家・小林重三と日本の三大鳥類図鑑」をテーマにお話いただきました。
 日本の三大鳥類図鑑とは、黒田長禮による鳥類原色大図説(以後略して黒田図鑑)、山階芳麿による日本の鳥類と其の生態(以後略して黒田図鑑)、清棲幸保による日本鳥類大図鑑(以後略して清棲図鑑)のことです。これらの日本の鳥類学の発展の上で、欠くことのできない重要な三つの図鑑すべてに小林重三は図版を描いています。
 しかし、図鑑における図版の持つ意味の重要性とは裏腹に、当時は、図版作製者名は図鑑に記載されなかったため、小林重三の名前を知る者は、ほとんどいませんでした。
 1991年に、園部さんが編集する日本野鳥の会の会誌「野鳥」に、児童作家の国松俊英さんが小林重三の生涯について記事を連載し、1996年にはこの成果が「鳥を描き続けた男 鳥類画家小林重三」として出版されました。これに前後して、平塚市博物館・流山市生涯学習センター・町田市立博物館でそれぞれ小林重三の特別展が行われたことで、すぐれた鳥類画家である小林重三の名が知られるようになりました。
 今日のお話では、三大鳥類図鑑の特徴やそれにあわせた図版の作製の過程などが紹介され、三大鳥類図鑑に欠かせぬ小林重三の図版の価値に改めて気づかされました。また、それぞれの図鑑の著者である鳥類学者の細かく厳しい要求に応えることができた小林重三の技術の高さや意気込みも感じることができました。
 また、お話の最後に神奈川県の辻堂で描いた海岸風景の油絵が示され、小林重三自身は、風景画家としての思いが強かったというお話は印象的でした。三大鳥類図鑑の中にも図鑑用の図版と違う風景画家としての構図が見られるものがある理由もよく分かりました。
 講師の園部さん、また暑い中ご来館いただいた皆さま、ありがとうございました。
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投稿者: odaya
6月17日(日)に、あびこ自然観察隊「チョウゲンボウを観察しよう」を実施しました。
チョウゲンボウは小型のハヤブサの仲間で、我孫子市をはじめとする関東地方の平野部では一年中見ることができる鳥です。今回は、利根川に架かるJR常磐線の橋脚で繁殖するチョウゲンボウの子育ての様子を観察しました。

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堤防から望遠鏡を使い、繁殖に影響のない距離から観察を行いました。

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餌のカナヘビを運ぶ雌親(下見時)。当日はネズミ類や小鳥を運んでくる様子が観察できました。

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橋脚に止まる巣立った幼鳥。

チョウゲンボウのほかにも、河川敷で繁殖するオオヨシキリ、セッカ、キジなどの鳥や、巣立ちヒナを連れたムクドリやハシボソガラスなど、この時期ならではの鳥たちの様子を観察することができました。
当日は、20名の方にご参加いただきました。また鳥の博物館の自然観察会にご参加ください。

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