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投稿者: odaya
3月20日(月・祝)に、あびこ自然観察隊「春の谷津田観察会」を実施しました。里山の景観が残されている岡発戸・都部の谷津を歩きました。大人22名、子ども9名の参加がありました。

東我孫子から5分ほど歩くと、谷津の入口に着きました。向かいの斜面のササやぶからは、ウグイスの「ホー、ホケキョ」というさえずりが聞こえてきます。

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丈の低い草地の中を探すと、コロコロした茶色い草の固まりが見つかりました。これはノウサギのフン。夜の間にここにやってきているようです。

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ニワトコのブロッコリーのような蕾(つぼみ)をみんなで観察しました。

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暖かい日差しに誘われて、ナミテントウやムラサキシジミなど、成虫で冬を越している虫たちも多く見られました。

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ニホンアカガエルの卵とオタマジャクシを観察しました。現在では多くの水田で冬に水が落とされてしまうため、アカガエルやヒキガエルなどの冬から春に産卵するカエルの仲間は限られた場所でしか見られなくなってしまいました。

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橋の近くで見つけたイタチと思われる哺乳類のフン。白っぽい小鳥の羽毛やザリガニの殻などが入っていました。

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梅林で見つけたキジバトの巣。他の鳥に比べて粗雑な作りです。東我孫子駅の近くではさえずっている雄も見られました。

12時ごろまで谷津田を一回りし、多くの生き物を観察することが出来ました。参加されたみなさま、ありがとうございました。また鳥の博物館の自然観察会にぜひご参加ください。


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投稿者: saito
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 今日は、山階鳥類研究所自然誌研究室専門員・広報室主任の平岡考さんに、「毎日運行する漁船で営巣したツバメ」というテーマでお話いただきました。
 おりしも今日3月11日は、東日本大震災から6年目にあたります。地震とそれに伴う津波と原発事故により、東日本を中心に甚大な被害を被りました。この時、山階鳥類研究所が文部科学省と環境省に対して提言した、陸鳥・海鳥への影響調査や被災地の標本レスキューの必要性の紹介からお話は始まりました。
 さて、本題の「漁船で営巣したツバメ」の舞台は、静岡県の伊豆半島の東部の富戸岬にある漁港です。
 2014年から2016年までの3年連続で、毎日漁に出る漁船にツバメが営巣し、ヒナを巣立たせることに成功した事例を紹介してくださいました。船のオーナーの石井船長が映像とともに数日おきに記録をとってくれたお陰で、繁殖の詳しい様子が明らかになったそうです。
 紹介されたビデオには、ツバメの親鳥が船が出発して沖合500m以上離れるまでは、ヒナへの給餌に訪れ、逆に沖合から船が帰って来て、やはり沖合500mまで近づくと、再び給餌のために飛来するシーンが映し出されました。
 繁殖データから、このツバメは、陸地で繁殖するツバメより抱卵日数が長く、抱卵時間長く取れないなどのハンディーを負っているらしいとのことでした。何故あえて繁殖に一見不利な動く船に3年連続して営巣したのか謎は深まります。また、港の中を動き回る数ある船の中から、親鳥がどうやって営巣した船を認識しているのかも現時点では謎とのことでした。
 国内外での船に営巣した鳥の他の例も紹介され、日本ではツバメが船に営巣した11例が、海外ではミドリツバメ、ツバメ、タイランチョウ、コマツグミなどが船に営巣した例が示されました。
 人工構造物にだけ営巣するツバメですが、今後の人とツバメとの関係にひょっとしたら新たな展開があるかもしれないことを予感させるお話でした。
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投稿者: odaya
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本日2月18日に、鳥博セミナー「日本の鳥の今を描く 全国鳥類繁殖分布調査」を開催しました。NPO法人バードリサーチの植田睦之さんにお話しいただき、32名のみなさまにご参加いただきました。

全国繁殖分布調査は、過去に2回(1970年代後半と90年代〜2000年代)環境省によって実施されていますが、2016年から現地調査が始まった今回はバードリサーチなどのNGOが主体となって実施されます。これまでの調査でも、チゴモズやシロチドリなど、減少している鳥を発見し、これらの種をレッドリストに掲載することにつながってきました。今後の調査でも、過去と比べて分布が縮小した鳥、逆に拡大した鳥について重要なデータが得られることが期待されます。

2016年の調査では、全国の約2300地点のうち約500箇所で現地調査が行われました。この調査をもとにして、分かってきた傾向についてお話しいただきました。
前回の調査に引き続き、アオサギやカワウなどの魚食性の鳥や、ガビチョウやソウシチョウなどの外来チメドリ科の鳥は分布の拡大が続いているとのことです。さらに、90年代後半の調査で減少が心配されていたアカショウビンやサンショウクイなどの夏鳥も、新たに出現した地点が多く記録されました。ただし、まだ全地点での調査が終わっていないので、より正確な結果については今後はっきりしてくるだろうとのことです。

調査に参加するには、調査員として登録する必要がありますが、ご自分のフィールドを任意定点として登録できますし、特別な調査を行わなくても、日頃のバードウオッチングの結果をアンケートとして報告することもできるそうです。ご興味のある方は、まずはホームページから調査員として登録してみましょう。
http://bird-atlas.jp/

この調査に加えて、東京都と茨城県ではさらに細かい調査メッシュを設定して精度の高い調査を行う予定で、越冬期の分布情報の収集も今後行われていくとのことです。繁殖分布調査を通じて作ったネットワークを今後も活用して市民調査の環を広げていきたいという夢のあるお話でした。

質疑応答の時間では、「結果をまとめるときに調査員間のスキルの差をどうやって考慮するか」、「調査のまとめの際に希少種の生息状況をどのように考慮して公開するか」などについて活発な質問が出たり、調査に実際に参加したいけどどのように協力できるかなどの協力の申し出がありました。
有意義なセミナーになったと思います。ご参加いただいたみなさま、講演いただいた植田さん、ありがとうございました。
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投稿者: odaya
2月12日(日)に、手賀の丘少年自然の家との共催で、あびこ自然観察隊「オーイ!冬鳥くん」を実施しました。林、農地に沼と、手賀沼周辺で冬鳥が見られる環境を歩いて多くの冬鳥を観察しようという企画です。

林の中では、ルリビタキ、ウソなどに加え、今年数の多いアトリも観察できました。耳を澄まして小鳥の地鳴きを聞くと、小さな鳥でも見つけられたと思います。池ではカワセミも全員でじっくり見られました。

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暗い林を好むルリビタキ。雄は鮮やかな青い羽色ですが、雌や若い雄は全身ほぼ褐色です。(下見の時の画像です)

農地に出ると、一気に強風が吹きつけます。それでも、ツグミやカワラヒワなど、林の中とは鳥の種が違うことに気づけたと思います。

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強風に耐えて歩く参加者のみなさん。手前に三脚の先が写りこんでいてスミマセン…。

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キジの翼だけが道路に落ちていました。羽は散らばっていなかったので、どうしてここに落ちていたのかは不明です。この周辺で見られる他の大形の鳥に比べてつばさが丸く、全体の湾曲が大きいのが特徴的です。

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沼の中央のマガモの群れ。どの個体も風に向かって頭を向けているのは、その方が飛び立つときに上昇する力を得られやすいからです。(下見の時の画像です)

沼ではマガモやオオバンなどの水鳥を観察できました。沼岸のヨシ原ではモズやオオジュリンなども見られました。

冷たい風が吹き寒かったですが、鳥が厳しい冬をどのように乗り切っているのか、実際に観察できたと思います。ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。鳥の博物館の他の自然観察会にもぜひまたご参加ください。
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投稿者: saito
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 鳥の博物館の空調設備の工事も無事終了し、4ヶ月ぶりにテーマトークを実施しました。
 小笠原諸島で80年ぶりにアホウドリが繁殖に成功し、ヒナが誕生したことはご存知の方も多いはず。このプロジェクトの中心メンバーの出口智広さん(山階鳥類研究所保全研究室研究員)が、「小笠原での繁殖成功が意味するもの」をテーマにお話くださいました。
 このプロジェクトは、70羽のヒナを伊豆鳥島から小笠原諸島の聟島に移送し、人工飼育で巣立たせ、かつての小笠原繁殖地を復活させようというものです。ここ数年の間に小笠原諸島の媒島、聟島、嫁島で繁殖が確認されました。
 これまでの成果を、出口さんが、DNA分析の専門家や地元の関係者、日米共同プロジェクトチームのアメリカのメンバー、プロジェクトチームの統括者とともに、共著でアニマル・コンサベーション(ロンドン動物学会の学術雑誌)に発表しました。今日は、その内容について分かりやすく解説してくださいました。
 これまで鳥島産まれ、聟島育ちのヒナの一定数が聟島に戻り繁殖をはじめています。また、同じ小笠原諸島の媒島や嫁島でも繁殖が確認され、確実に繁殖個体数は増えています。今では安定した大きなコロニーとなった鳥島の初寝崎コロニーの復活プロジェクトでは、最初の10年間は繁殖個体数が大きく増えませんでした。10年以上経て、やっと指数関数的に個体数が増えています。小笠原諸島の場合もこれになぞらえると、あと数年経て、ぐんと繁殖個体数が増えることが期待できそうです。
 プロジェクトの最新情報と出口さんらの論文の詳細は、山階鳥類研究のHPから次のURLを参照ください。
http://yamashina.or.jp/blog/2016/11/albatross_paper_anim_conserv/
 出口さんは、これまで、さまざまな生き物の保全・復元に対して、再導入という方法が多くの場合盲目的に行われてきた事を挙げられ、さらに活動の半分くらいは、プロジェクトのその後の評価が成されておらず、成否が不明であることを指摘されました。
 小笠原のアホウドリ再導入のプロジェクトを今回報告したことは、今後のモデルケースとなる意味でも大切であることが分かりました。
 なお、こうした論文の評価について、従来の引用数を指標としたインパクト・ファクトを重要視する方法から、近年ではSNSで話題に取り上げられる頻度やマスコミ報道の頻度なども加えたさまざまな要素を統合したオルトメトリクスという新評価の方法もあるということが紹介されました。そして、この評価方法では、今回発表した論文が上位1%にランクづけられ、各方面でいかに重要視されているかが分かりました。
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投稿者: saito
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晴天の下、紅葉を見ながらの快適な観察会でした。

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観察会のテーマは「葉」。全体の輪郭や葉脈の走り方など、いろいろな樹木の葉の形の特徴を観察しました。写真は、ホウノキとイチョウの葉です。

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鳥に食べられそうな赤い木の実もありました。写真は、植栽されたソヨゴ(モチノキ科)です。

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冬鳥のシロハラがハゼノキの果実を食べていました。

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冬鳥ツグミの話で観察会を締めました。

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投稿者: odaya


JBFの2日目、鳥博2階多目的ホールにてJBFゲストトークを行いました。「はばたけ!しんはま!!〜行徳野鳥観察舎と行徳鳥獣保護区のお仕事〜」と題して、野長瀬雅樹さん(NPO法人行徳野鳥観察舎友の会主任研究員)にお話しいただきました。

かつての東京湾には広大な干潟が広がっていましたが、保護活動によってわずかに残された場所の一つが行徳鳥獣保護区です。鳥獣保護区では湿地環境の復元が行われ、鳥類の生息場所として適した環境を目指して整備が行われています。保護区の鳥類の調査では、一般的な鳥類の生息状況調査に加え、最近ではカモメ類の標識調査が行われ、日本で越冬するセグロカモメの繁殖地の解明などの研究で成果をあげられています。また、千葉県内で唯一の傷病鳥の保護施設である野鳥病院を併設しており、年間約400羽の鳥を受け入れて野生復帰を目指して保護しています。こうした活動を軸に、環境教育活動を展開していて、多くの市民の方に鳥を通じて環境を守ることの大切さを伝えいる施設です。

ところが、2015年末をもって、行徳野鳥観察舎は耐震強度が弱いことを理由に無期限の休館になってしまいました。現在、野鳥病院と保護区の管理、観察会などの業務は継続されていますが、観察舎の再開は未定とのことです。鳥の魅力を多くの人に伝える素晴らしい施設が、1日も早く再開されることを願ってやみません。

ゲストトークにはのべ37名の方に来場いただきました。参加いただいたみなさま、講演を引き受けていただいた野長瀬さん、ありがとうございました。
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投稿者: odaya
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JBFの1日目、アビスタ会場にて第26回鳥学講座を行いました。今回は「コアジサシ保全活動の現場から」と題して、北村亘さん(東京都市大学講師 / NPO法人リトルターン・プロジェクト代表)にお話しいただきました。

コアジサシは、小形のカモメの仲間で、夏になると南太平洋から日本に渡ってきて繁殖します。かつては日本全国で数多く見られましたが、近年では巣を作る裸地の環境が安定していないことなどから個体数が減少し、環境省のレッドリストでは絶滅危惧種に指定されています。北村さんたちのグループでは、2001年に東京都大田区の森ヶ崎水再生センターの屋上でコアジサシが営巣しているのを発見したのをきっかけに、この場所での保全活動を始めました。

森ヶ崎でのコアジサシの個体数を増加させるために、様々な対策が行われました。何もなかったコンクリートの屋上に土を入れ、生えてくる草本を抜いてコアジサシに好まれる環境が作られました。北村さんたちは、白い貝殻を撒くと地表面の温度が下がり、コアジサシに好まれることを実験によって発見しました。コアジサシは大きなコロニーで繁殖するため、内山春雄さん・我孫子市中学校と協力してコアジサシのデコイを作り、誘引を行いました。また、捕食者であるカラスやネコから守るために、シェルターやカゴによる保護活動も展開したそうです。
こうした様々な保全活動により、ここ数年は森ヶ崎のコアジサシの個体数は1000羽を越え、安定した生息地となりました。現在の日本では最大の繁殖地だろうということです。

こうした保全活動は、市民のボランティアによる協力と、森ヶ崎水再生センター、大田区との協働によって行われています。リトルターンプロジェクトでは、こうした市民科学の取り組みの成功例として、他の団体にもそのノウハウを広めていきたいとのことでした。今後、日本のあちこちで繁殖するコアジサシを保全していくためのネットワークができることを楽しみにしています。

講演会には89名の方に来場いただきました。参加いただいたみなさま、講演を引き受けていただいた北村さん、ありがとうございました。
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投稿者: saito
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 今回は、公益財団法人山階鳥類研究所自然誌研究室専門員の小林さやかさんに、「明治期の標本が語るもの−絶滅鳥カロライナインコ−」についてお話いただきました。
 山階鳥類研究所が所蔵するカロライナインコの剥製標本3点の中の1点は、明治期に国立科学博物館が所蔵していた標本で、東京帝室博物館とアメリカのスミソニアン博物館と山階鳥類研究所の3つのラベルが付されています。それぞれのラベルには、標本番号はありますが、採集地や採集日に関する詳細なデータは書かれていませんでした。そこで、小林さんは、ラベルの標本番号をたよりに、国内外の各施設の標本台帳を調べ、この資料が、アメリカのフロリダ州シャーロット・ハーバーでジェームズ・ベルによって採集され、1881年8月11日に登録された標本であることをつきとめました。また、1882年のスミソニアン博物館の年次報告に、ジェームズ・ベルがフロリダで鳥類と爬虫類を採集した記録も見つけたそうです。
 長年かけて集積された標本は、時代の趨勢により保管施設が移り変わり、付帯する情報も消失しがちですが、現時点で可能なかぎりの情報を集約し、標本のデータベースを構築しておくことは、後生に活きる大切な仕事だと思いました。また、標本ラベルの情報から、付加情報を次々にたどっていく作業のお話には、さまざまな情報を整理しながら推理する探偵のような醍醐味を感じました。
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投稿者: odaya
9月3日夕方に、あびこ自然観察隊「鳴く虫観察会」を実施しました。

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まず、博物館前の草地で鳴く虫の仲間を捕まえました。草の中を動き回る昆虫を捕まえるのは大変ですが、みなさんがんばって何種類か採集できました。昆虫以外にも、カナヘビやアマガエルなどの生き物も捕まえて観察できました。

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捕まえたあと、博物館の玄関で何が捕れたか調べました。コオロギの仲間ではエンマコオロギやオカメコオロギ、キリギリスの仲間ではツユムシやウスイロササキリ、バッタの仲間ではショウリョウバッタやコバネイナゴなど14種のバッタの仲間を捕まえることができました。

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館内で虫の鳴き声について予習した後、暗くなりはじめた草地に出て虫の声に耳をすませました。草地からはエンマコオロギ、オカメコオロギ、シバスズ、木の上からはアオマツムシ、カンタン、ツヅレサセコオロギなど、合わせて10種の鳴く虫の声を聞くことができました。
また、親水広場の上を飛ぶアブラコウモリや餌場へ向かうゴイサギなど、夜行性の生き物のくらしの一部も垣間見ることができました。

身近な草地にも、多様な昆虫がすんでいることを感じてもらえたと思います。
日没後は涼しい日も増えてきた今日この頃、夜に窓をあけて虫の声に耳を澄ませてみてはいかがでしょうか?
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