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投稿者: odaya
2022年5月8日(日)に、Enjoy手賀沼!と併せて、第33回バードウィーク手賀沼探鳥会を実施しました。この観察会は、山階鳥類研究所の後援をいただき、我孫子野鳥を守る会と我孫子市鳥の博物館が共催で開催しているものです。2020年と2021年*は新型コロナウイルスの感染防止のため残念ながら探鳥会は中止となりましたので、今回は3年ぶりの開催となりました。

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▲集合場所のようす。

前日までの雨は上がり、さわやかな天候の中、手賀沼沿いを歩いてバードウオッチングを楽しみました。5つの班に分かれて出発し、1時間コース(1班)と2時間コース(4班)に分かれて鳥を探しました。

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▲手賀沼遊歩道から観察を行いました。

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▲水田で餌を探していたセグロセキレイ

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▲空中で昆虫をとらえて巣に運んでいたスズメ

各班を合計して29種の鳥たちに会うことができ、我孫子野鳥を守る会のみなさんにサポートいただいたおかげで充実した観察ができたと思います。

今回の探鳥会には一般の方50名、我孫子野鳥を守る会の会員のみなさまの32名の参加がありました。ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

今回は定員を50名に絞って申し込み制で開催しました。途中から申し込み者多数のためキャンセル待ちでの受付となってしまい、ご希望に添えなかったみなさまには申し訳ありませんでした。鳥の博物館では周年「てがたん」をはじめとする自然観察会を実施しておりますので、別の記載にぜひご参加いただければと思います。

*中止となった年の誤りを修正しました(5/18)
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投稿者: odaya
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▲岩棚に作られたオオトラツグミの巣(ビデオカメラにて無人で十分な距離を保って撮影されたもの)。

4月16日に、2022年4月の「鳥のサイエンストーク」を実施しました。これまで「テーマトーク」として2011年より実施してきましたが、より内容が分かりやすい名称に変更して多くの方に視聴いただくため、今月からタイトルを改称いたしました。
これまでと同様にYoutube liveを用いたライブ配信で行いました。今回は、山階鳥類研究所自然誌・保全研究ディレクターの水田 拓さんに「目に見えるものだけを信じるな―奄美大島の絶滅危惧種オオトラツグミの巣の特徴―」と題してお話しいただきました。

鳥の巣は、卵を生み、ヒナを育てる構造物で、その形や場所は鳥のグループや種によって様々です。巣は動くことのできない卵やヒナを襲うことができるため、捕食者によっては容易に手に入るよい食物となります。そのため、巣の捕食は鳥の繁殖失敗の主な要因の一つになっており、捕食を避けるための色彩や行動が進化してきました。このような巣の特徴を調べることは、進化の研究だけでなく、絶滅危惧種の保全に際しても重要となります。

オオトラツグミは、日本鳥類目録7版では、日本本土に広く分布するトラツグミZoothera daumaの亜種とされています。オオトラツグミの姿は本土のトラツグミとよく似ていますが、囀りは大きく異なり、マミジロに似た「キョローン」という声が特徴です。森林伐採や外来種の影響によって数を減らしていましたが、近年では個体数が回復傾向にあります。

水田さんの研究によって、オオトラツグミの好む環境は、大きなスケールでは、標高と林齢が高く、広葉樹林の面積が広い森林が適していることがわかりました。一方、小さなスケールでは、巣は木の又に作ることが多く、3メートルほどの低い位置に作られていることが多いことがわかりました。しかし、水田さんによれば、この結果は「ちょっと慎重さを欠いていた」とのこと。それはなぜなのでしょうか。

オオトラツグミの巣の見つかり方には大きく分けて、(1)偶然見つかる場合、(2)親の行動を追跡して見つかる場合の2つがあります。これまでに(1)では62巣、(2)では44巣が見つかっています。これらの見つけ方によって、見つかる巣のタイプを比較したところ、(1)の方法で見つかる巣はより低い位置にあり、木の又に作られている割合が高いことがわかりました。(2)の方法で見つかる巣は比較的高い場所にあり、折れた幹の上や岩棚にある割合が高かったのです。オオトラツグミにとって林内の枯死木は重要な資源であるということも、この再解析によって明らかになりました。

目につくところにある巣は見つかりやすく、目立たない巣は見つかりにくいという、当たり前かもしれないことですが、得られた結果だけを見ていると見落としがちになってしまいそうです。このように、目につきやすいものだけをみて物事を判断すると、誤った結論を出してしまう可能性があるという教訓でお話を締めくくられました。

講演のあとに、巣の場所ごとの繁殖成功率の違いがあるかどうかや、実際に存在する巣の場所を偏りなく見つけるためにはどんな方法が考えられるかについて、視聴者の皆さんからのご質問をいただき、水田さんにお答えいただきました。
また、鳥の巣を観察・撮影するときの一般的な注意点についてもお話しいただきました。鳥の巣に近づくと、親鳥が抱卵や給餌のために巣に戻ることができない、人間のにおいを付けて捕食を誘発するなどの悪影響が懸念されるので、必要がない場合には巣に接近せず、必要がある場合も影響を最小限にとどめるような工夫が必要とのことです。

今回のオンライン講演は、最大同時に94人の方に視聴いただきました。ご視聴いただいた皆様、ありがとうございました。今回のライブ配信は、4月30日(土)まで以下のURLより見逃し配信を行います。
https://youtu.be/Au1X4QFEnPk

次回、2022年5月の鳥のサイエンストークは、山階鳥類研究所研究員の澤祐介さんに、ガン類の渡り追跡に関する最新の話題をお話しいただきます。
配信方法などについては、山階鳥類研究所・我孫子市鳥の博物館ウェブサイトで改めてご案内します。次回もぜひご視聴ください。
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投稿者: mochizuki
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▲日本で最も身近な鳥の一つのキジバト

3月19日に、2022年3月のテーマトークを実施しました。これまでと同様にYoutube liveを用いたライブ配信を用いています。今回は、我孫子市鳥の博物館学芸員の望月が「DNAから明らかになったキジバトの進化史」と題してお話ししました。

DNAは生物の設計図であり、鳥類は核DNAとミトコンドリアDNA(以下mtDNA)の2種類を持ちます。この2つのDNAは親からの遺伝の仕方が異なり、核DNAは両親から半分ずつ、mtDNAは雌親から遺伝することが分かっています。またDNAには変異の起こりやすい場所や逆に変異が起こりにくい場所など様々な機能がわかっており、それらの特性を利用して進化の歴史を推定することが可能です。近年行われた進化史の研究の例として、小笠原諸島のヒヨドリの研究やメボソムシクイの分類について簡単に紹介をしました。

キジバトはユーラシア大陸の中央から東側に広く分布する種で、2015年に行われたmtDNAの調査によって遺伝的に大きく異なる2タイプがいることが分かっており、隠蔽種の候補として挙げられていました。しかしmtDNAの2タイプが本当に隠蔽種であるか明らかにするためには核DNAの解析をする必要があります。そこで、国内外のキジバトのDNAサンプルを収集しDNA解析を行いました。サンプルは、本州、南西諸島、北海道、ロシア、台湾、中国、ミャンマーと広い地域から収集を行いました。
その結果、キジバトのmtDNAの2タイプは広い地域で確認されること、核DNAとmtDNAの系統は一致しないこと、キジバトの亜種間には核DNAのマイクロサテライト領域に殆ど遺伝的な差がないことなどが明らかになりました。

この結果から、キジバトは約100万年前に2タイプに分かれたのち、比較的最近(約1万年前)になってからこの2タイプが交雑し、さらに現在の亜種に分かれていったという進化史を推定することができました。
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講演のあとに、隠蔽種が見つかる頻度についての質問や、mtDNAの2タイプを持つ個体間で生態的な違いがあるかどうか、過去に2タイプに分かれた要因についてなどの質疑応答を行いました。

今回のオンライン講演は、最大同時に146人の方に視聴いただきました。ご視聴いただいた皆様、ありがとうございました。今回のライブ配信は、4月2日(土)まで以下のURLより見逃し配信を行います。
https://www.youtube.com/watch?v=xphFsQPMNkk

次回、2022年4月のテーマトークは、山階鳥類研究所の水田拓さんに、奄美大島のオオトラツグミの生態に関する話題をご紹介頂きます。
配信方法などについては、山階鳥類研究所・我孫子市鳥の博物館ウェブサイトで改めてご案内します。次回もぜひご視聴ください。
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投稿者: odaya
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▲鳥に装着された発信機によって、一度に長距離を渡ることがわかったオオソリハシシギ。

2月19日に、2022年2月のテーマトークを実施しました。これまでと同様にYoutube liveを用いたライブ配信で行いました。今回は、山階鳥類研究所研究員の森本 元さんに「さまざまな鳥の渡りー鳥の渡り研究の発展とよもやま話ー」と題してお話しいただきました。

鳥の渡りは、古くから多くの人の注目を集め、多くの研究者によって調べられてきました。その伝統的な手法の一つが、鳥類標識調査です。鳥類標識調査は、鳥に個体識別のための足環などを装着して放鳥し、再捕獲や観察によって情報を収集することによって、鳥の移動や寿命を調べる調査です。日本では、1924年に始まってから、90年以上にわたって続けられており、現在では環境省が山階鳥類研究所に委託して事業が継続されています。

30年ほど前からは、GPS発信機や記録計を鳥そのものに取り付けることにより、より詳細な移動の調査が行われるようになりました。これによって、渡り研究は飛躍的に進展し、既存の標識調査のデータと組み合わせることで、多くの鳥の渡り経路や渡りの戦略が明らかになっています。しかし、これらの情報は一般のバードウオッチャーや愛好家の人にとって、ひとつひとつもとになった論文にアクセスするのは難しいでしょう。そこで、鳥の渡りについて近年出版された、森本さんおすすめの日本語書籍をいくつかご紹介いただきました。

「鳥の渡り生態学」(2021年、東京大学出版会)は、鳥の渡りについて様々な分類群や観点からまとめられた総合的な学術書で、鳥の渡りを総合的に深く学びたいという人に向いているそうです。「世界の渡り鳥図鑑」(2021年、緑書房)は、世界の様々な鳥の渡りが魅力的な写真とともに紹介されており、世界の鳥の渡りの多様性を知るのに向いているそうです。「日本の渡り鳥ガイド」(2019年、文一総合出版)は、渡り鳥を観察するためのコツが紹介されており、実際に野外で観察したい人に役立つ情報が含まれているそうです。他にも、渡り鳥に関する魅力的な書籍をご紹介いただきました。

講演のあとに、標識調査の放鳥地と回収地を結ぶ線の意味や、渡り鳥への餌づけの是非などについて質問をいただき、森本さんにお答えいただきました。

今回のオンライン講演は、最大同時に138人の方に視聴いただきました。ご視聴いただいた皆様、ありがとうございました。今回のライブ配信は、2月26日(土)まで以下のURLより見逃し配信を行います。
https://www.youtube.com/watch?v=n4JU1b4KpKc

次回、2022年3月のテーマトークは、我孫子市鳥の博物館の望月が、DNAを用いた研究によって明らかになったキジバトの進化史についてお話しします。
配信方法などについては、山階鳥類研究所・我孫子市鳥の博物館ウェブサイトで改めてご案内します。次回もぜひご視聴ください。

参考資料:

鳥類標識調査について
https://www.biodic.go.jp/banding/search.html

鳥類アトラス
https://www.biodic.go.jp/banding/atlas.html

鳥の渡り生態学
http://www.utp.or.jp/book/b577415.html

世界の渡り鳥大図鑑
https://www.midorishobo.co.jp/SHOP/1584.html

日本の渡り鳥観察ガイド
https://www.bun-ichi.co.jp/tabid/57/pdid/978-4-8299-7508-4/Default.aspx
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投稿者: someya
 2月18日(金)から2月22日(火)まで、あびこショッピングプラザ3階市民ギャラリーにて「内山春雄のバードカービング展」を開催しています。
 同時期に、1階フードコートのイベントスペースにて鳥の博物館の紹介&手賀沼周辺で見られる鳥について展示を行っています。鳥の博物館ってどんなところ?どこにあるの?なんて思った方は、お買い物ついでに展示をご覧下さい。そして、ぜひ鳥の博物館にお越し下さい。
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▲お買い物袋をさげている方が目立ちました
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▲「すげー、すげー」とパネルをみてくれていました
 博物館で待ってるね
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投稿者: odaya
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▲キンバトの雄(撮影:仲地邦博氏)

1月15日に、2022年1月のテーマトークを実施しました。これまでと同様にYoutube liveを用いたライブ配信で行いました。今回は、山階鳥類研究所広報ディレクターの平岡 考さんに「標本から鳥の換羽を調べるー先島諸島産のキンバトの調査」と題してお話しいただきました。

換羽とは、周期的な羽毛の更新のことをいい、1年に1回の基本的な更新スケジュールに加え、成長段階や季節によって様々な生え替わりの方式があります。換羽は繁殖、渡りとならぶ鳥にとっての大イベントであるため、鳥がどのように暮らしているのかの研究をする上で重要です。また、換羽の方式を理解する事で、鳥の年齢を識別する事が出来る場合が多く、様々な生態研究に役立つ基礎的な情報となります。

キンバトは東南アジアから南アジア、オーストラリアに分布する小形のハトの仲間で、日本では沖縄県南部の先島諸島にのみ生息しています。日本産の亜種は分布が狭く希少なため、国内希少野生動植物種や天然記念物に指定されています。

平岡さんは、この地域で窓ガラスにぶつかって死んでしまったあと山階鳥類研究所に寄贈されたキンバト22羽の初列風切の換羽を調べました。その結果、成鳥・幼鳥ともに夏から秋にかけて最も内側の初列風切から換羽が始まること、その換羽は繁殖期までに完了している場合と、外側数枚を残して繁殖期に中断する場合があることがわかりました。残された外側数枚の風切羽の換羽は、中断した後に再開されるようです。このとき、次の換羽のサイクルが再び始まるので、一時的に翼に3世代の羽毛が見られる事があるということでした。このような換羽サイクルは、渡りをしない亜熱帯の鳥や、あるいはハト科の鳥に特徴的であるかもしれないとのことでした。

このような羽衣の変化や生殖器の確認の結果から得られる基本的な情報をもとに図鑑が作られること、今後も情報を蓄積していくために、鳥類の死体の寄贈を引き続きお願いしたいということをお話しされ、お話を締めくくられていました。

講演のあとに、生殖器の確認によって年齢を識別する事は可能かどうか、キンバトのような天然記念物の鳥の死体を拾ったときはどのような届出が必要なのか、温帯の鳥と亜熱帯の鳥の換羽はどのように異なるのかなどについて質疑応答が交わされました。

今回のオンライン講演は、最大同時に80人の方に視聴いただきました。ご視聴いただいた皆様、ありがとうございました。今回のライブ配信は、1月22日(土)まで以下のURLより見逃し配信を行います。
https://www.youtube.com/watch?v=rNAKOmPp9PE

次回、2022年2月のテーマトークは、山階鳥類研究所の森本 元さんに、鳥類標識調査や最近の追跡機器によって明らかになった様々な鳥の渡りに関する話題をご紹介頂きます。
配信方法などについては、山階鳥類研究所・我孫子市鳥の博物館ウェブサイトで改めてご案内します。次回もぜひご視聴ください。
カテゴリ: General
投稿者: odaya
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12月18日に、2021年12月のテーマトークを実施しました。これまでと同様にYoutube liveを用いたライブ配信で行いました。今回は、山階鳥類研究所 コレクションディレクターの鶴見みや古さんに「山階博士が作った図鑑、こんな資料が残っていました」と題してお話しいただきました。

山階鳥類研究所創設理事長、山階芳麿博士(1900-1989)は、「日本の鳥類と其の生態」という図鑑を1934年(第1巻)と1941年(第2巻)に出版しました。山階博士はドイツ留学時に手にした図譜の美しい版画の挿絵に影響を受けて、日本産鳥類について同様の書籍を作ることを志したそうです。

「日本の鳥類と其の生態」の巻頭には、本書の目的として、「本書は日本産鳥類全部に関する既知の事項を総合整理して一般の了解に便すると共に将来の研究の伴侶たらしむる目的を以って執筆したものである。」と記されており、日本産鳥類の形態や生態について文章と精緻な図を用いて大変詳しく述べられています。この図鑑に用いられた原稿や原図などの資料は、現在も山階鳥類研究所に多く保管されています。

本書の図の多くには「著者原図」と記されていますが、実は、これらの多くは山階博士自身の手によるものではありません。最も多くの図版を描いたのは鳥類画家の小林重三(こばやし・しげかず)で、小林が原図を描いた後、木口木版(こぐちもくはん)の職人によって版木が彫られ、図版として使用されたものです。また、カラーの図版のいくつかは、山階博士の夫人の山階寿賀子によって描かれたものであることがわかりました。いずれの図版も、標本をもとにして描かれたものであることが、原画の裏に残されているメモから明らかになっています。また、これらの図版の原画や木版の試し刷りには、山階博士による修正指示があったこともわかっています。

本書は当初5巻組で出版される予定でしたが、第2次世界大戦の様々な影響で、3巻以降は完成することはありませんでした。しかし、その情報量や内容の正確さから、現在でも多くの研究者に活用されています。
第1巻の出版社である梓書房の岡茂雄と、第2巻の出版社である岩波書店の岩波茂雄は、ともに堅牢な書籍を出版することに強いこだわりを持っていたようで、出版前の試験として本を床にたたきつけてその丈夫さをテストしていたとのエピソードもご紹介いただきました。

講演のあとに、質疑応答が交わされ、「3巻以降の構成についてやその残っている資料はあるのか」「木口木版を彫った人は誰なのか」などについて鶴見さんにお答えいただきました。

今回のオンライン講演は、最大同時に55人の方に視聴いただきました。ご視聴いただいた皆様、ありがとうございました。今回のライブ配信は、12月25日(土)まで以下のURLより見逃し配信を行います。
https://www.youtube.com/watch?v=1bzIFeNz0IY

次回、2022年1月のテーマトークは、山階鳥類研究所の平岡 考さんに、標本を利用して鳥の換羽を調べる例として、先島諸島産のキンバトに関する調査結果をお話しいただきます。配信方法などについては、山階鳥類研究所・我孫子市鳥の博物館ウェブサイトで改めてご案内します。次回もぜひご視聴ください。

参考資料:

・今回のお話のもとになった報告:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jyio/45/2/45_136/_article/-char/ja/

・小林重三について
http://www.yamashina.or.jp/hp/yomimono/shozomeihin/meihin04.html

・山階寿賀子について
http://www.yamashina.or.jp/hp/yomimono/shozomeihin/meihin02.html
カテゴリ: General
投稿者: saito
 今年で設立20周年を迎える鳥の博物館友の会。第17回目の企画展が始まりました。
 今回のメイン展示は、鳥凧同好会のクマタカ凧づくりです。クマタカ凧が出来上がるまでを詳しく紹介しています。
 合わせて、デジカメ同好会・鳥絵同好会・万葉集同好会・しちじゅうにこうの会・みて歩こう会の活動も紹介しています。
 コロナ感染対策に留意し、ご覧ください。

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▲展示室入口。

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▲鳥凧同好会の展示。

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▲今回のメイン展示、クマタカ凧とその制作過程を詳しく紹介しています。

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▲クマタカ凧の骨組み。

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▲クマタカ凧のあしの部分の展示。

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▲凧づくりの道具と材料。

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▲大作、帆船の立体凧。

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▲デジカメ同好会の展示。

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▲鳥絵同好会の展示。

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▲万葉同好会の展示。

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▲しちじゅうにこうの会の展示。

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▲みて歩こう会の展示。

友の会展は、令和4年1月16日(日)までです。

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投稿者: odaya
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△アホウドリのつがい(左2羽)と“センカクアホウドリ”のメス(右2羽) 撮影:今野美和さん

11日6日(土)に、第31回JBF鳥学講座をオンライン配信にて開催しました。今回は「『センカクアホウドリ』発見記」と題して、北海道大学総合博物館の江田真毅さんと、山階鳥類研究所保全研究室の富田直樹さんのお二人にお話しいただきました。

アホウドリは北太平洋で最大の海鳥ですが、人間による乱獲が原因でその数を減らし、一時は絶滅の危機に陥りました。繁殖地は伊豆諸島の鳥島と尖閣諸島の2か所だけになりましたが、多くの人や団体の保全活動によって、少しずつその個体数を回復させています。近年の研究によって、そんな絶滅危惧種であるアホウドリに2つのグループが含まれ、それぞれは別種に相当すると考えられるようになりました。今回は、その研究にかかわったお二人に、その研究にかかわる様々なトピックについて語っていただきました。

まずは、江田さんに「きっかけは考古鳥類学」と題して、アホウドリに2つの系統が含まれることの発見のきっかけをお話しいただきました。江田さんは、北海道の礼文島にある浜中遺跡から出土したオホーツク文化期(5世紀から12世紀ごろ)のアホウドリ類の骨に関する研究を進めていました。骨からの種同定に取り組む際に、出土するアホウドリの骨の大きさに変異が非常に大きいことに気が付きました。DNAの解析によって、この大きさの違いは遺伝的に異なる2つの系統と対応していることが明らかになり、さらに、現在の尖閣諸島産と鳥島産の個体から得られたDNAの違いとも一致しました。このDNA配列の違いの大きさは、他のアホウドリの姉妹種の組み合わせの遺伝的な違いの大きさに相当することがわかりました。すなわち、現在のアホウドリにも2つの遺伝的に大きく異なるグループが存在することが明らかになったのです。

続いて、富田さんに「決め手は鳥類生態学」と題して、これらの2つの系統が別種であることの研究についてお話しいただきました。富田さんたち山階鳥類研究所の調査チームは、アホウドリの最大の繁殖地である鳥島で、足環のついている個体(鳥島生まれ)と足環のついていない個体(尖閣生まれと推定される)の繁殖行動を観察し、番いの組みあわせを調査しました。この調査によって、同じ系統的なタイプ同士でつがいになる傾向があることがわかりました。さらに、鳥島系統の成鳥と尖閣系統の成鳥にジオロケータ(日出・日入などから位置を推定する小型記録計)を付けて非繁殖期の移動を追跡したところ、尖閣系統の個体は鳥島系統の個体が利用しなかったオホーツク海をよく使うことがわかりました。また、それぞれの系統の個体の形態を詳細に計測して解析したところ、尖閣系統の個体は鳥島系統の個体に比べて嘴が細長く、体の大きさが小さいことがわかりました。

このようにして、アホウドリには遺伝的にも形態的にも異なる2種が含まれることが明らかになりました。今後は、どのように2種の生殖隔離が起こっているのかを明らかにすることや、どのように尖閣諸島集団の保全や調査を進めていくかが課題とのことです。

講演のあとには、遺跡で出土するアホウドリはどのように捕獲されたものか、絶滅した繁殖地の集団はどちらの系統に含まれていたのか、確定していない2種の学名について今後どのように分類学的な手続きを進めていくのかなどについて、多くの質問やコメントが寄せられ、江田さんと富田さんにわかりやすくお答えいただきました。

今回の鳥学講座は、最大同時に133人の方にご視聴いただきました。お話しいただいた江田さんと富田さん、ご視聴いただいたみなさま、ありがとうございました。

11月7日(日)の24:00までの予定で見逃し配信が行われます。見逃した方、もう一度見たい方は以下のページにあるリンクからご覧ください。
http://www.birdfesta.net/jbf/online.html


参考資料:
当日のレジュメは、以下からご覧いただけます(PDF直リンク)。
http://www.yamashina.or.jp/hp/event/images/jbf211106resume.pdf

今回のお話のもとになったプレスリリース資料は以下よりお読みいただけます(日本語)
http://www.yamashina.or.jp/hp/p_release/images/20201120_prelease.pdf

今回のお話のもとになった論文は以下よりダウンロードして読むことができます(英語)
https://www.int-res.com/abstracts/esr/v43/p375-386/
カテゴリ: General
投稿者: odaya
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10月16日に、2021年10月のテーマトークを実施しました。これまでと同様にYoutube liveを用いたライブ配信で行いました。今回は、鳥の博物館の小田谷が「ヤマシギの越冬期の暮らし」と題してお話ししました。

水鳥のシギの仲間は主に水辺にすみ、歩いて水の中に入って餌をとることの多い鳥です。しかし、ヤマシギは森林や草地を主な住みかとするちょっと変わった鳥で、夜行性の暮らしに適応した様々な特徴を持っています。秋になると越冬地の関東地方に渡ってきますが、夜行性であるために国内におけるその生態はあまりよく知られていませんでした。

2012年秋から2021年春までに2か所の利根川下流域の調査地を中心に336羽に足環を付けて放鳥し、のべ106羽を再び捕獲しました。それらの捕獲データから、ヤマシギは同じ場所に比較的戻ってくること、12月〜2月が主要な越冬期であること、幼鳥の渡来時期や割合は年によってばらつきがあることなどがわかりました。また、放鳥した個体のうち2羽がサハリンで繁殖期に回収されたことから、関東地方で越冬する個体の繁殖地の一つであることが示唆されました。
これらの基礎的な情報をもとに、さらにヤマシギの越冬期の生活史に関する研究を進めたいと思っています。

講演のあとに、視聴者のみなさんとチャット機能を用いて質疑応答が交わされました。「ダンス」を行うのはアメリカヤマシギだけか、狩猟鳥として十分な個体数がいるのか、成鳥と幼鳥で嘴の長さに違いがあるかなどについて質疑応答が交わされました。

今回のオンライン講演は、最大同時に135人の方に視聴いただきました。ご視聴いただいた皆様、ありがとうございました。今回のライブ配信は、10月30日(土)まで以下のURLより見逃し配信を行います。
https://youtu.be/elPIuqJb1gI

11月のテーマトークはお休みです。次回、12月のテーマトークは、山階鳥類研究所コレクションディレクターの鶴見みや古さんに、山階芳麿博士の著書「日本の鳥類と其の生態」の関連資料についての調査結果をお話しいただきます。配信方法などについては、山階鳥類研究所・我孫子市鳥の博物館ウェブサイトで改めてご案内します。次回もぜひご視聴ください。