October24日Tuesday: 乞うご期待!?

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投稿者: iwamoto
 鳥の博物館の外壁には蝶の蛹がついていることがよくあります。タイルの間の凹みが、ちょうどよい広さなのかもしれません。特に多いのは植え込みにある食草を食べにくるジャコウアゲハですが、その他の種が見られることもあります。
 先月、9月26日にもまた、蛹になる直前の姿を見つけることができましたが、今回はジャコウアゲハではありませんでした。
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 下から眺めてみますと、この模様。クロアゲハ、モンキアゲハ、シロオビアゲハあたりではないかと考えています。
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 1日経つとこの姿(9月27日撮影)。
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 3日後にはもう、蛹の姿になっていました(写真は10月1日撮影)。
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 分布域から考えても、クロアゲハの可能性が最も高いのですが、近年は温暖化に伴う分布の北上と思われるナガサキアゲハも見られるようになりましたので、もしシロオビアゲハだったら面白い、などと夢想してしまいました。しかし、来年の春までは出てきません。結果は気になりますが、待たなければならないのです。けれども、春の陽気とともに、知らないうちに飛び立ってしまうのかもしれません。たとえば羽化が、休館日で休みを頂いている日に起こったら…。せっかく楽しみにしていても、何か悲しいですね。そこで、イチゴパックを使ってトラップを作ってしまいました(10月7日)。
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 今頃この中で、新しい成虫の体が作られているのでしょう。昨日の超大型台風にも飛ばされずに残っていましたので、北風の吹き荒ぶ中でも、着々と変態が進んでゆくことを期待しています。
 でも、もしかしたら、小さな寄生蜂が飛び出してくるだけだったりして…。そんな落ちだったら、悲しいですね。
 あと、出入り口付近にあって、灰皿がすぐ近くにあるのも少し気になります。煙が流れていったらピクピク動いた、なんて愛煙家の某職員の方がおっしゃられていました。少し煙たいかもしれないけれど、どうか頑張って、育って下さい!

October20日Friday: つかの間の晴れ間

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投稿者: saito
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 寒い雨の日が続いています。10月18日、久しぶりに晴天となりました。湿った地面から発生した朝霧を付けたクモの網が太陽に照らされて、よく目立ちます。雨続きで、餌になかなかありつけなかったかもしれません。樹の枝の空間を覆い尽くすほど、高密度に網が張られていることが分かります。

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 この網の持ち主は、卵で冬を越すジョロウグモのようです。メスの近くで交尾のタイミングをはかっているオスも見られました。

 10月23日は、二十四節気の降霜です。手賀沼では、コガモなど冬鳥が見られるようになりました(10月15日付けのブログ参照)。晴れた日には、ヒヨドリが群れで渡る姿も見られます。生き物たちも冬支度といったところでしょうか。

October15日Sunday: 冬鳥到着

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投稿者: someya
 今回は我孫子市のお隣、柏市でみかけた鳥についてご紹介します。
 同じ場所に9月20、26日、10月6日と観察に行きました。(写真は全て10月6日に撮影したものです)。
 9月20日の午前中、手賀沼の上沼で20羽強のコガモを観察しました。「おー!コガモだ」と冬鳥の到着を喜びました。午後に柏のとある池へ。そこでは約80羽のコガモを観察しました。この日は私にとってコガモ祭(?)でした。
 10月6日は3種のカモが見られました。中でもコガモは多く100羽以上いました。メスの羽のようなエクリプスのオスを観察するのに面白い時期です。
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コガモのオス(左右)
エクリプス。まだ頭の緑の羽も目立たない。
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ヒドリガモのオス
エクリプス。翼に注目。雨覆が白いのはオス(成鳥)の特徴。
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ハシビロガモのメス

 冬鳥のカモ以外にもこんな鳥を見ました。
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コサギ
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アオサギ
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イソヒヨドリ(メス)
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モズがイソヒヨドリを追い払いました。

October 7日Saturday: ドングリの季節

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投稿者: muramatsu
先日、自宅の屋根にコツコツと何かが落ちる音がするので見てみると、
強風にあおられて、まだ未熟なコナラのドングリが落ちていました。
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コナラのドングリ(写真は以前採集したもの)

日本にはドングリがなる樹木は約20種あり、代表的なものでは落葉広葉樹の
ブナ、クヌギ、ミズナラ、常緑広葉樹のシラカシ、スダジイ、マテバシイなどがあります。

ドングリは殻斗(かくと)と呼ばれる帽子のような部分で果実がつくられ、
成熟すると果実の部分だけ落下します。自宅に落ちていたものは、まだ青いものや殻斗がついたものばかりでした。
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殻斗の中で形成されるドングリ(写真はマテバシイ)

殻斗には様々な模様や形があります。
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ライオンのたてがみのようなクヌギ

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横しまが特徴のシラカシ

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毛がはえているアラカシ

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割れるタイプのスダジイ

秋が深まるにつれて、これからドングリの季節がやってきます。
殻斗の違いに注目して観察してみてはいかがでしょう。



September27日Wednesday: 渡る鳥たち

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投稿者: odaya
秋は鳥たちの渡りの季節。繁殖を終えた鳥、あるいは今年生まれた鳥たちが越冬地に向かって移動を始めています。多くの鳥が渡りをするのは夜間です。昼間に比べて気流が安定することや、渡りの方向を定位するための星が見えることなどが理由ではないかといわれています。

先月8月30日のプロ野球パ・リーグの西武×楽天戦で、鳥の群れがナイターの球場に飛び込んできて、試合が中断されたというニュースは記憶に新しいところです。なぜ夜間に鳥が野球場に飛び込んで来たのでしょうか?

この時の画像をネットニュースで確認すると、この鳥の群れはアカエリヒレアシシギというシギの仲間ということが分かりました。


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▲海上で観察された夏羽のアカエリヒレアシシギ。5月 神奈川県。手前が雌で奥の3羽が雄。タマシギと同様に、雌が雄に求愛し、抱卵と子育ては全て雄が行います。

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▲内陸の農地に飛来した幼羽のアカエリヒレアシシギ。9月 茨城県。背に金色の筋が入るのが幼鳥の特徴。仙台の球場に飛び込んだのも多くはこの幼鳥でした。

アカエリヒレアシシギは普通は海上で生活する種で、ふつう内陸にはあまり飛来しません。繁殖地は北極圏のツンドラで、東南アジアからオセアニアまで長い距離の渡りをします。今回見られたのは、夜間に渡っている群れが渡りの途中に野球場の照明に引き寄せられて飛来したものと考えられます。


この出来ごとは、毎晩多くの鳥たちが夜空を南へ渡っていることを感じさせるものです。我孫子市をはじめ関東平野の低地でも、夜間に動いている鳥の声を聞くことができます。たとえばツグミの仲間は「ツィー」という声で鳴きながら渡るので、耳にする機会が多いです。私も21日夜にマミチャジナイと思われる地鳴きを聞きました。

少数派ですが、昼にわたる鳥たちもいます。ヒヨドリやツバメがその代表格ですが、これらの種の渡りは比較的容易に観察することが出来ます。10月のてがたんでは、ヒヨドリの渡りにスポットをあて、渡りの定点観測をしてみたいと思います。10月14日の10時に博物館の玄関前にぜひお集まりください。

September20日Wednesday: ヘビーな出会い

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投稿者: iwamoto
 先月、稲穂も色づき始めた谷津ミュージアムへ行った時のことです。
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 歩いていると、散歩をされていた女性の方から「何を探しているのですか」と声をかけられました。その方の話によると、ここでは最近、ヘビを見かけなくなったとのこと。確かに、アオダイショウやシマヘビ、さらにはその餌となるトノサマガエルやトウキョウダルマガエルの姿も見かけませんでした。
 けれども、それも悪くはないとのお話でした。女性の方からすれば、ヘビに会わなくて済む方が有難いのかもしれません。しかし、私は寂しさも感じました。皆さんは、いかがでしょうか?

 ところが、その方と別れてからさらに先へ進むと…。
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 いました!駄洒落ではありませんが、ホッとしました(…発戸…)。この夏は子どもが咬まれてニュースになりましたが、マムシやヤマカガシではないことを確認すると、さらに細部についても証拠写真を撮るために、手で掴みました。ちなみにここではヘビは合計7種の記録があり、セミより種類が多いことになります。
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 鳥類は羽毛、哺乳類は毛が体表を覆っていますが、爬虫類は「鱗(ウロコ)」に覆われています。このため保温効果はなく、冬は冬眠します。同じウロコでも、魚類は「ヌルヌル」という擬態語が使われるのに対し、爬虫類は乾燥しているので「スベスベ」です。その感触を現代風に言えば、「超、気持ちいい」という言葉がピッタリです(北島康介さんではありませんが)。ヘビは木に巻き付いてスルスルと上り、鳥の巣を襲います。ヒナたちにとっては一番の天敵かもしれません。しかし、人間にとってはこの「巻き付く」という習性が、時には有難いのだと思います。ヘビは人間の手にもからまり、指の間を滑り抜けるときには独特な感触があります。つまり、ペットと触れ合いたい人には最高なのです。ヘビには根強い飼育ファンがいて、ペットショップでは餌用の冷凍マウスも売っています(レンジでチンして与えます)。
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 ちなみに、今回見つかったのはヒバカリという種類でした。上の写真にもあるように、頭の後ろにある白い線が特徴です。咬まれるとその日ばかりの命だということで、この名が付いたそうなのですが、実際には毒はなく、それどころかむしろおとなしく、掴んでもあまり咬まれることはありません。このため、ハンズオンの格好の教材になります。当館でも以前、別の場所で見つかった個体を少しの間保管し、てがたんの際に、子どもに触らせてあげたことがありました。しかし現代の小学生は、全員がまだヘビを触った経験が無かったと言っていました。
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 そのときのヒバカリは、生きたまま保管し続けることが難しそうだったので、結局、元の場所に戻しました。ヒバカリは一種類の餌だけだとそのうちに食べなくなりますが、いくつかの餌をバランスよく与えなければならない為、飼育は難しいといわれます。もし、あれだけおとなしくて、しかも餌も簡単に食べてくれたのなら、今頃はとっくに絶滅危惧種になっていたことでしょう。たとえば「ヒバカリ」「販売」と入れてgoogle検索すると、野生個体を採集して販売している業者のホームページも出てきます(一匹数千円…)。別に絶滅危惧種ではなく、違法でもありませんが、やはり商売をする人もいるくらいですので、うまく飼えるかどうかは別として、好きな人はいるのだと思います。確かに、よく見てみると、顔もどこか愛嬌があります。
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 私も飼ってみたいという誘惑にかられましたが、生き物を持ち出してはいけない場所でしたので、逃がしてあげました。いつまでもこの姿が見られることを願いながら。
わざわざ強調することでもないかもしれないのですが、このような場所では決して持ち出してはいけません。たとえば、珍しい鳥を見つけると、ついつい停めてはいけない場所に車を停めてしまうバードウォッチャーも中にはいますが、珍しい生き物に出会うと、人は我を忘れてしまうこともあります。しかし、このような場所では、保全のために地道な作業を続けられている方々がいらっしゃることを決して忘れてはいけません。思い出だけを、心の中に大事にしまって帰るべきなのです。

 それにしても、握ったときの、指の隙間をすり抜けるあの独特な感触は、今でも手の中に残っています。
カテゴリ: General
投稿者: saito
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9月9日てがたん日和の中、みんなで博物館周辺を散策しました。

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早速、路傍のスミレの中にツマグロヒョウモンの幼虫を見つけました。博物館周辺では、2006年頃から普通に見られるようになった南方系のチョウです。

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樹上からビロードハマキの幼虫がぶら下がって来ました。

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今日は、イモムシ類がよく見られました。これはホシホウジャク(スズメガ科)の幼虫。

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ハチに擬態したカノコガもいました。

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エノキの幹にアリの群れが数カ所見られました。よく見ると口吻を突き刺して樹液を吸うアブラムシ(ヤノクチナガアブラムシ)を中心に、アリ(クロクサアリ)が群がっています。アリはアブラムシの出す甘露に集まり、結果的にアブラムシを守っています。

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斜面林の下のわずかな湧水にサワガニの幼体(稚ガニ)がいました。

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外来種アカボシゴマダラも出現。てがたんコースでは2014年頃からよく見られるようになりました。

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ツマグロヒョウモンと同様、南方系のナガサキアゲハも飛んでいました。

博物館周辺のわずか500mの範囲内を散策しただけでも、生き物の季節変化や年変化、関わりあいがいろいろ観察できます。
「てがたん」に参加したい方は、毎月第二土曜日の午前10時までに鳥博玄関前に集合しましょう!

September10日Sunday: ガシャモクの花

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投稿者: someya
 鳥博3階のベランダでは手賀沼周辺で見られた水草を栽培しています。その中の一つ、緑色の透き通る葉が美しいガシャモクの近況をご紹介します。
 昔、ガシャモクは肥料に利用される程、手賀沼に繁茂していましたが、環境が変わったことにより、手賀沼では見られなくなりました。その後、埋土種子から発芽した貴重なガシャモクを株分けして鳥博でも栽培しています。最近花をつけましたのご覧下さい。
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ガシャモクの葉
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ガシャモクの花
水面から顔を出しています
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数日前はまだのびておらず、花は水面下にありました
(水から出して撮影しています)
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投稿者: odaya
オオジシギはシギやチドリの仲間で、長い嘴と短いあし、地味な羽色が特徴です。同じ仲間のタシギに良く似ていますが、一回り大きく、長い翼を持っています。世界的な分布はタシギよりずっと狭く、日本とロシアの一部だけで繁殖しています。繁殖地では、「ズビーヤク、ズビーヤク」と鳴きながら急降下する際に尾羽を使い「ゴゴゴゴ…」と音を立てるディスプレイが見られます。

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▲空中でディスプレイするオオジシギ(7月 北海道)

オオジシギは、冬になるとオーストラリア東部に渡ることが知られていましたが、昨年、GPS発信器を装着した追跡により、陸地には降りずに太平洋を一直線に南下して飛んでいくことが確かめられました(詳しくは、日本野鳥の会のブログをご参照ください)。我孫子市では、春と秋の渡りの時期に水田や草地などに立ち寄りますが、繁殖期の様な派手な行動はせずに、草地や湿地の中にそっと潜んでいます。

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▲農道の草の中に身を隠すオオジシギ(8月 千葉県)

中継地には長くて1カ月ほど滞在し、その間に渡るための脂肪を体にたくわえます。4月にオーストラリアから渡ってきたばかりのオオジシギの体重は130gほどですが、8月に太平洋を越える旅に出る前の体重は260gほどに達します。短い期間に、自分の体重のおよそ2倍ほどにもなる脂肪を蓄積するのです。
長い距離を渡るためのエネルギーを補給するための場所として、農地はオオジシギにとって重要なのです。

August12日Saturday: 夏の抜け殻

カテゴリ: General
投稿者: iwamoto
 夏といえばセミですが、鳥の博物館の周辺では5種類のセミの声を聴くことができます。先日、その証拠を採集することができました。
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一番よく見るのは次の2種類でしょう。
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まずはアブラゼミ。
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続いて、ミンミンゼミ。これらを見分けるポイントは、触覚です。
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根元から数えて、2節目と3節目とを比べると、ミンミンゼミでは3節目の方が小さくなっています。
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しかし、アブラゼミでは3節目の方がずっと長くなります。泥が付いていて少し分かりにくいのですが、泥が付いているのはすべて、同じ3節目です。
他にも、注意して見てみると、より小型のセミも抜け殻を見つけることができます。
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ツクツクボウシ。表面は色が薄くてつや消しなのが特徴。水の館の近くで見つけました。
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ニイニイゼミ。館の裏にある斜面林で見つけました。丸くて愛嬌があります。
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ヒグラシ。館の裏にある斜面林で見つけました。

 この他に、我孫子市内では最近、クマゼミの鳴き声が聞こえるようになった場所もあると聞いています。そのうちいつか、館周辺でも6種類目が手に入るようになるのでしょうか。見つけたら、また報告いたします。