September20日Wednesday: ヘビーな出会い

カテゴリ: General
投稿者: iwamoto
 先月、稲穂も色づき始めた谷津ミュージアムへ行った時のことです。
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 歩いていると、散歩をされていた女性の方から「何を探しているのですか」と声をかけられました。その方の話によると、ここでは最近、ヘビを見かけなくなったとのこと。確かに、アオダイショウやシマヘビ、さらにはその餌となるトノサマガエルやトウキョウダルマガエルの姿も見かけませんでした。
 けれども、それも悪くはないとのお話でした。女性の方からすれば、ヘビに会わなくて済む方が有難いのかもしれません。しかし、私は寂しさも感じました。皆さんは、いかがでしょうか?

 ところが、その方と別れてからさらに先へ進むと…。
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 いました!駄洒落ではありませんが、ホッとしました(…発戸…)。この夏は子どもが咬まれてニュースになりましたが、マムシやヤマカガシではないことを確認すると、さらに細部についても証拠写真を撮るために、手で掴みました。ちなみにここではヘビは合計7種の記録があり、セミより種類が多いことになります。
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 鳥類は羽毛、哺乳類は毛が体表を覆っていますが、爬虫類は「鱗(ウロコ)」に覆われています。このため保温効果はなく、冬は冬眠します。同じウロコでも、魚類は「ヌルヌル」という擬態語が使われるのに対し、爬虫類は乾燥しているので「スベスベ」です。その感触を現代風に言えば、「超、気持ちいい」という言葉がピッタリです(北島康介さんではありませんが)。ヘビは木に巻き付いてスルスルと上り、鳥の巣を襲います。ヒナたちにとっては一番の天敵かもしれません。しかし、人間にとってはこの「巻き付く」という習性が、時には有難いのだと思います。ヘビは人間の手にもからまり、指の間を滑り抜けるときには独特な感触があります。つまり、ペットと触れ合いたい人には最高なのです。ヘビには根強い飼育ファンがいて、ペットショップでは餌用の冷凍マウスも売っています(レンジでチンして与えます)。
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 ちなみに、今回見つかったのはヒバカリという種類でした。上の写真にもあるように、頭の後ろにある白い線が特徴です。咬まれるとその日ばかりの命だということで、この名が付いたそうなのですが、実際には毒はなく、それどころかむしろおとなしく、掴んでもあまり咬まれることはありません。このため、ハンズオンの格好の教材になります。当館でも以前、別の場所で見つかった個体を少しの間保管し、てがたんの際に、子どもに触らせてあげたことがありました。しかし現代の小学生は、全員がまだヘビを触った経験が無かったと言っていました。
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 そのときのヒバカリは、生きたまま保管し続けることが難しそうだったので、結局、元の場所に戻しました。ヒバカリは一種類の餌だけだとそのうちに食べなくなりますが、いくつかの餌をバランスよく与えなければならない為、飼育は難しいといわれます。もし、あれだけおとなしくて、しかも餌も簡単に食べてくれたのなら、今頃はとっくに絶滅危惧種になっていたことでしょう。たとえば「ヒバカリ」「販売」と入れてgoogle検索すると、野生個体を採集して販売している業者のホームページも出てきます(一匹数千円…)。別に絶滅危惧種ではなく、違法でもありませんが、やはり商売をする人もいるくらいですので、うまく飼えるかどうかは別として、好きな人はいるのだと思います。確かに、よく見てみると、顔もどこか愛嬌があります。
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 私も飼ってみたいという誘惑にかられましたが、生き物を持ち出してはいけない場所でしたので、逃がしてあげました。いつまでもこの姿が見られることを願いながら。
わざわざ強調することでもないかもしれないのですが、このような場所では決して持ち出してはいけません。たとえば、珍しい鳥を見つけると、ついつい停めてはいけない場所に車を停めてしまうバードウォッチャーも中にはいますが、珍しい生き物に出会うと、人は我を忘れてしまうこともあります。しかし、このような場所では、保全のために地道な作業を続けられている方々がいらっしゃることを決して忘れてはいけません。思い出だけを、心の中に大事にしまって帰るべきなのです。

 それにしても、握ったときの、指の隙間をすり抜けるあの独特な感触は、今でも手の中に残っています。
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投稿者: saito
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9月9日てがたん日和の中、みんなで博物館周辺を散策しました。

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早速、路傍のスミレの中にツマグロヒョウモンの幼虫を見つけました。博物館周辺では、2006年頃から普通に見られるようになった南方系のチョウです。

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樹上からビロードハマキの幼虫がぶら下がって来ました。

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今日は、イモムシ類がよく見られました。これはホシホウジャク(スズメガ科)の幼虫。

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ハチに擬態したカノコガもいました。

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エノキの幹にアリの群れが数カ所見られました。よく見ると口吻を突き刺して樹液を吸うアブラムシ(ヤノクチナガアブラムシ)を中心に、アリ(クロクサアリ)が群がっています。アリはアブラムシの出す甘露に集まり、結果的にアブラムシを守っています。

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斜面林の下のわずかな湧水にサワガニの幼体がいました。

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外来種アカボシゴマダラも出現。てがたんコースでは2014年頃からよく見られるようになりました。

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ツマグロヒョウモンと同様、南方系のナガサキアゲハも飛んでいました。

博物館周辺のわずか500mの範囲内を散策しただけでも、生き物の季節変化や年変化、関わりあいがいろいろ観察できます。
「てがたん」に参加したい方は、毎月第二土曜日の午前10時までに鳥博玄関前に集合しましょう!

September10日Sunday: ガシャモクの花

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投稿者: someya
 鳥博3階のベランダでは手賀沼周辺で見られた水草を栽培しています。その中の一つ、緑色の透き通る葉が美しいガシャモクの近況をご紹介します。
 昔、ガシャモクは肥料に利用される程、手賀沼に繁茂していましたが、環境が変わったことにより、手賀沼では見られなくなりました。その後、埋土種子から発芽した貴重なガシャモクを株分けして鳥博でも栽培しています。最近花をつけましたのご覧下さい。
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ガシャモクの葉
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ガシャモクの花
水面から顔を出しています
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数日前はまだのびておらず、花は水面下にありました
(水から出して撮影しています)
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投稿者: odaya
オオジシギはシギやチドリの仲間で、長い嘴と短いあし、地味な羽色が特徴です。同じ仲間のタシギに良く似ていますが、一回り大きく、長い翼を持っています。世界的な分布はタシギよりずっと狭く、日本とロシアの一部だけで繁殖しています。繁殖地では、「ズビーヤク、ズビーヤク」と鳴きながら急降下する際に尾羽を使い「ゴゴゴゴ…」と音を立てるディスプレイが見られます。

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▲空中でディスプレイするオオジシギ(7月 北海道)

オオジシギは、冬になるとオーストラリア東部に渡ることが知られていましたが、昨年、GPS発信器を装着した追跡により、陸地には降りずに太平洋を一直線に南下して飛んでいくことが確かめられました(詳しくは、日本野鳥の会のブログをご参照ください)。我孫子市では、春と秋の渡りの時期に水田や草地などに立ち寄りますが、繁殖期の様な派手な行動はせずに、草地や湿地の中にそっと潜んでいます。

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▲農道の草の中に身を隠すオオジシギ(8月 千葉県)

中継地には長くて1カ月ほど滞在し、その間に渡るための脂肪を体にたくわえます。4月にオーストラリアから渡ってきたばかりのオオジシギの体重は130gほどですが、8月に太平洋を越える旅に出る前の体重は260gほどに達します。短い期間に、自分の体重のおよそ2倍ほどにもなる脂肪を蓄積するのです。
長い距離を渡るためのエネルギーを補給するための場所として、農地はオオジシギにとって重要なのです。

August12日Saturday: 夏の抜け殻

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投稿者: iwamoto
 夏といえばセミですが、鳥の博物館の周辺では5種類のセミの声を聴くことができます。先日、その証拠を採集することができました。
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一番よく見るのは次の2種類でしょう。
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まずはアブラゼミ。
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続いて、ミンミンゼミ。これらを見分けるポイントは、触覚です。
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根元から数えて、2節目と3節目とを比べると、ミンミンゼミでは3節目の方が小さくなっています。
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しかし、アブラゼミでは3節目の方がずっと長くなります。泥が付いていて少し分かりにくいのですが、泥が付いているのはすべて、同じ3節目です。
他にも、注意して見てみると、より小型のセミも抜け殻を見つけることができます。
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ツクツクボウシ。表面は色が薄くてつや消しなのが特徴。水の館の近くで見つけました。
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ニイニイゼミ。館の裏にある斜面林で見つけました。丸くて愛嬌があります。
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ヒグラシ。館の裏にある斜面林で見つけました。

 この他に、我孫子市内では最近、クマゼミの鳴き声が聞こえるようになった場所もあると聞いています。そのうちいつか、館周辺でも6種類目が手に入るようになるのでしょうか。見つけたら、また報告いたします。
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投稿者: saito
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 7月29日、手賀沼上沼南岸の夕暮れ時、ムクドリの群れの中に、コムクドリが見られました。この写真の中に5羽写っています。
 コムクドリは、北海道や東北北部で繁殖し、ボルネオやフィリピンで越冬する渡り鳥です。繁殖を終えた、あるいは繁殖できなかった個体が南下し始めたようです。
 これからしばらくの間、ムクドリの群れの中にコムクドリをさがして楽しむことができます。
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投稿者: someya
 鳥博前の手賀沼親水広場内にあるミニ手賀沼で、生き物調べと水草植栽イベントがありました。ミニ手賀沼は手賀沼を模してつくった人工池です。
 まずはどんな生き物がいるのかみんなで探します。
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 私はみなさんがみつけてくれた生き物を種類ごとに分けていました。魚、エビ、オタマジャクシ…いろいろいました。稚魚もたくさんいましたよ。最高に楽しい時間で夢中でした♪
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 こちらはその中の一種、ツチフキです。この辺りでは移入種ですが、手賀沼でもよく見かけます。
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 みんなでどんな生き物がいるのか確認しました。
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 最後にミニ手賀沼で少なくなってしまったガシャモクを植えてイベントは終了しました、その後水草が鳥に食べられないよう防鳥ネットをかけました。
 暑い中たくさんの方にご参加いただきました。ありがとうございました。

July25日Tuesday: ヒナを拾わないで!!

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投稿者: iwamoto
 鳥の博物館では毎年、鳥の繁殖期になると、次のような ポスターを掲示しています。

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 これは、巣を出た後のヒナが、巣から誤って落ちたものと誤解され、保護されてしまうのを防ぐためのものです。樹上に、草や枝を編んだ巣を設置する鳥は、巣が外敵に狙われやすく、ヒナが飛べるようになる前に、もう巣から出てしまいます。どれくらい早い時期に出るのかというと、これくらいです 。

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 この写真は7月 20 日(木)に、街路樹の上に営巣していたヒヨドリが巣から降りたところを撮影したものです。市民の方からの連絡を受け、当館職員が現地へ行くことになりました。人通りの多い駐輪場にある樹だったので、自転車に踏まれてしまわないように、この後、お店の方にお願いして、わざわざヒナの周囲にコーンを立てて頂きました。

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  大勢の市民が集まってきて、何事かと見守っていましたが、両親はすぐ後ろの樹の上で、興奮して羽を振るわせながら、人間に囲まれた我が子を心配そうに見守っていました。

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 その後、ヒナはいつの間にか姿を消したそうなのですが、その日は合計3羽が樹から降りてくるのを確認できたといいます。翌朝、様子を見に行ってみると、昨日の場所のすぐ近くで、ヒナを見つけることができました。

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 どうやら、ヒナはここまで自力で移動することができたみいでした 。エサをねだって鳴いている上、親鳥も頻繁に飛来するので、簡単に見つけることができました。

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 このような姿を見ると、カラスに襲われないか、とか、猫に襲われないか、などとついつい心配になってしまうのですが、人間が誤って保護してまうと、逆に、親鳥がヒナを見失ってしまい、エサを与えられなくなってしまいます。別に、ヒナは地面に落ちたからエサをもらえないわけではなく、親鳥はちゃんとヒナを見ていて、定期的にエサを運んできます。ですので、どうかヒナを見つけても、拾わずにそっとしておいてあげて下さい(当館の職員が行かなくても、大丈夫です )。
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投稿者: muramatsu
7月も後半に入り、我孫子の小学校では夏休みが始まりました!
早くも博物館には、夏休みの自由研究について何人かが相談に訪れています。
博物館では自由研究のヒントになるように、8月中の土日祝日に小中学生向けの工作・観察イベント「夏の遊びと研究大集合2017」を下記のスケジュールで開催する予定です。
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今年から新しく加わった「しらべてみよう!フクロウのごはん」は、
フクロウのペリット(消化できなかった骨や毛を固めて吐き出したもの)を
実際にバラバラにして、どんな動物を食べているのかを調べるイベントです。
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            フクロウのペリット

生態系の中で頂点に位置するフクロウの食べ物を調べることは、餌動物のバリエーションを知り、環境の特徴を把握する手がかりになります。
普段、なかなか体験できないイベントなので、皆さん、ぜひご参加ください。

July20日Thursday: よく見てみると…

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投稿者: iwamoto
 今年5月の「てがたん」があった頃、我孫子市緑にて、家の玄関のドアから採集されたという、変わった生き物を頂きました。
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 ヤガタアリグモといい、アリによく似た(擬態した)クモの一種です(ハエトリグモ科)。脚の本数を数えてみて下さい。一番前の一対は、触角のようによく動かされているのですが、写真に撮って、動かない状態で改めて観察してみると、その付け根は頭ではなく、むしろ胸から伸びています。ですから、触角ではなくれっきとした脚で、8本脚なのです。けれども、アリのように小さい生き物ですので、よく見なければ、アリだと思って、気付かずに見落としてしまう人がほとんどでしょう。
 ちなみに、博物館内でこれを紹介したところ、クモが嫌いな人には、「たとえアリに似ていても、駄目なものは駄目!」と避けられてしまいました。恐らく、クモだと気付かなければ、まったく平気だと思うのですが…。

 その後、7月上旬のある日、「またクモがいたわよ!」と、博物館の事務室内にいた小さな生き物を、つかまえて下さった方がいらっしゃいました。
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 確かにアリに似ています。…といいますか、こちらはれっきとした6本脚です(触角を御覧下さい。一番前の一対は、ちゃんと頭の先から伸びています)。残念ながら、昆虫に間違いありません。しかし、よく見てみますと、実は、こちらもアリではなかったのでした。ルイスヒトホシアリバチといい、メスには翅がないというハチの一種です(アリバチ科。参考文献:『日本の昆虫1400』文一総合出版)。
 では、どこがアリと違うのでしょうか?『原色日本昆虫図鑑』(保育社)によれば、アリ科の働きアリは、胸と腹の間にこぶ状のもの(腹部第1節)があり(写真参照)、そのこぶが後ろにある腹部とはっきりと異なっていると書いてあります。つまり。昆虫は一般的には体が3つの部分に分かれているといわれますが、働きアリの場合には、その二つ目と三つ目の間に、こぶがあるのでした。
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 しかし、博物館の事務室で見つかった虫にはそれが見られないということで(写真参照)、 ここでもまた、よく似たものに騙されそうになりました(クモ×→アリ×→ハチ○)。しかし、そこで「クモ」とおっしゃって下さったのは、「普通のアリとはどこか違う」という雰囲気の違いが感じ取れたからに他なりません。そのような“勘”が働いたのは、確かに観察眼が鋭いといえます。
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 こういった“そっくりさん”を見破れるかどうかは、観察力が要求されます。しかし、逆に観察力を身につけることができれば、自然の少ない街の中であっても、意外とたくさんの秘密が隠されていることに気付くことができるのかもしれません。家の玄関のドアや、事務室の中といった、身近な場所にもいたのですから。
  生物の多様性が低下していると思われるのは、単に野外の自然が減っただけではなく、もしかすると、観察者の好奇心や識別能力の低下も、意外と、無関係とはいえないのかもしれません。
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