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投稿者: odaya
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5月24日に、2023年の手賀沼オオヨシキリのカウント調査を実施しました。雄が最も活発にさえずるこの時期に、目立つ場所に出てきている雄の数を数え、手賀沼の環境の変化をモニタリングすることを目的に実施しています。

2020年から2022年までの3年間は博物館スタッフのみで行っていましたが、今回は4年ぶりに鳥の博物館市民スタッフと博物館友の会から9名の方に参加いただき、計14名で5班に分かれてカウント調査を行いました。

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△ヤナギの枝にとまってさえずるオオヨシキリの雄。

今回は、手賀沼内では合計34羽、手賀川では17羽のオオヨシキリのさえずっている雄を数えました。手賀沼内の数は、少なかった一昨年(48羽)と昨年(40羽)を下回り、調査を始めた1987年以来最も少ない数になってしまいました。手賀川でも、少なかった一昨年(45羽)と昨年(28羽)をさらに下回り、調査を始めてからの最小個体数を更新しました。

囀るオオヨシキリの数は天候や人通りなどにも影響されやすいのですが、今回は特に発見率が低くなる風の強さなどには問題がなかったため、これらの結果は手賀沼周辺のオオヨシキリがここ3年ほどで急激に減少していることを示唆していると思われます。来年以降もモニタリングを継続していきたいと考えています。

*この調査は、1987年から開始され、1997年から2008年まで中断されたあと、2009年から再開されています。
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投稿者: odaya
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2023年5月6日に、あびこ自然観察隊「シギ・チドリ観察会」を実施しました。当日朝は集合場所だった新木駅を含むJR成田線の一部区間が強風のため運休となってしまい、申し込まれていた11名のうち7名の方が集合場所に来られず、残念ながら参加者4名での開催となりました。

駅から5分ほど歩いて水田に出ると、強い南風のため、歩くのもやっとという状態。時々砂ぼこりが飛んできて、眼にごみが入ってきます。今回期待していたシギ・チドリの姿はほとんど見られず、水田からタシギが2回飛び立つのが見られただけに留まりました。ここ数日晴れた日が続いているため、あまり降りずに通過していっているのかもしれません。

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△水田から飛び立ったタシギ(別の日に撮影した写真です)。

その代わり、水田の上空を雌を追って複数の雄が飛び回るカルガモや、強風の中さえずるオオヨシキリやヒバリ、水田で餌を探すアオサギなど、この時期らしい農地の鳥達の姿を観察しました。
少し早めに田んぼから引きあげ、駅までの帰り道では、街路樹で繁殖するカワラヒワやキジバトなどの身近な鳥の繁殖行動を観察しました。

今回は目的だったシギ・チドリ類の観察が天候と渡来数の問題で十分にできませんでしたが、てがたんのコースとは異なる開けた農地の環境の中で、自然観察を楽しみました。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。また鳥の博物館の自然観察会にご参加ください。

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投稿者: odaya
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△オオバンを探しているようす。

4月19日の午前中に、毎年実施している手賀沼のオオバン調査を実施しました。2020年から2022年までの3年間は博物館スタッフのみで行っていましたが、今回は4年ぶりに鳥の博物館市民スタッフと博物館友の会から5名の方に参加いただき、計10名で4班に分かれてカウント調査を行いました。

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△泳いで移動するオオバン。つがいと推定されるうちの雄。

今回は、合計113羽、8つがい(推定)のオオバンがカウントされました。オオバンの個体数は少なめで、特に下沼側での減少傾向が顕著でした。上沼は個体数はここ数年回復傾向にありますが、推定されるつがい数は少なく、越冬または渡り個体がみられているだけの可能性もあります。今後も、同様の調査を継続して個体群の変化をモニターしていく予定です。

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△沼沿いのヨシ原に作られたコブハクチョウの巣。

オオバンの個体数カウントと併せて、コブハクチョウの生息状況の調査も行いました。手賀沼の全周で周辺の農地と併せて合計25羽が確認され、8か所で営巣(造巣または抱卵中)が記録されました。
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投稿者: mochizuki
3月19日に「春の谷津田観察会」を行いました。
今回は大人18人、子供3人の方にご参加いただきました。

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当日は春の陽気を感じられる暖かい日で、コブシの花が満開でした。

観察会を行う数日前には雨が何日か降っていたので、田んぼに水が入り、カエルたちには恵の雨となったようです。
谷津田では2月頃にニホンアカガエルが産卵し、3月頃にアズマヒキガエルが産卵します。

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ニホンアカガエルの卵

季節が進むと見られる生き物も変わっていきます。
今年は10月15日に秋の谷津田観察会も行うので、皆さまぜひご参加ください。
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投稿者: odaya
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2023年2月19日に、手賀の丘青少年自然の家との共催の観察会「観察しよう!手賀沼の冬鳥」を実施しました。21名の方にご参加いただきました。2つのグループに分かれて林から沼までの幅広い環境で観察を行いました。

まず、手賀の丘の林の中で小鳥の姿を探しました。シジュウカラなどのカラの混群や、松の木に止まってさえずるカワラヒワなどを観察できました。一方の班は池の奥では、オオタカの成鳥が水浴びしている珍しい光景を観察することができました。

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▲池の奥で水浴びしていたオオタカの成鳥。


林を出ると、モズのつがいが草地で採食する様子や、なわばり宣言のためにギチギチと鳴きかわす姿が見られました。冬鳥のツグミやタヒバリも田んぼに降りているのが見られました。

手賀沼沿いに出て、用水路から飛び出したクイナ、沼の上を飛ぶミサゴ、ヨシの中で採食するアオジやオオジュリン、沼の水面で休息するカモの仲間を見ることができました。暖かく風もなかったので、ホオジロやヒバリがさえずっているのが観察できました。
農道の上に、何者かに捕食されたホオジロの羽毛が散らばっていました。どうやら哺乳類による捕食のようです。

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▲散らばっていたホオジロの羽毛。


田んぼの中を歩いて手賀の丘へ戻り、12時ごろに観察のまとめをして解散しました。2グループ合わせて、43種の在来種の鳥と、3種の外来種の鳥を見聞きすることができました。冬の関東地方は種数と個体数が最も多く、これからの季節は繁殖の準備を始めている留鳥たちの行動もおもしろくなってきます。ぜひ身近なところで観察を楽しんでいただければ幸いです。
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。
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投稿者: odaya
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2022年12月3日(土)に、あびこ自然観察隊「夜の動物観察会」を実施しました。21名の方にご参加いただき、冬の河川敷の生き物を夕方から夜にかけて観察しました。

日没前のまだ明るい時間に河川敷の駐車場に集合し、まずは夜行性の生き物たちの痕跡(フィールドサイン)を探してみました。溝のそばの草地には、わかりにくかったですがヤマシギが採食した跡や糞が見つかりました。例年観察できているタヌキのため糞や足跡は、今年は観察できませんでした。

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△ヤマシギが嘴を地面に差し込んでできた穴。

河川敷で日没を待っていると、ねぐら前に集合しているツグミの群れや、利根川から飛び立ったカモ類の群れを観察することができました。ベニマシコ、アカハラ、モズ、キジなどがねぐら入り前に鳴きかわす声は良く聞こえましたが、それらの姿はあまりよく見えませんでした。

あたりが暗くなった17時すぎから、夜行性の動物の姿を探しました。ヤマシギは合計5羽ほどを周辺で観察できました。中には逃げずにじっとしている個体が2羽ほどいて、じっくり観察することができました。

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△草地に降りていたヤマシギ(別の日に撮影した写真)。

今年は、これまでとは異なり観察場所周辺でのタヌキの数が少ないようで、いつものコースでは見ることができませんでした。そこで、下流側に移動しながら探したところ、なんとか1頭だけ見つけることができましたが、警戒心が強く、残念ながら全員で観察することはできませんでした。

その代わり、参加者の方に教えていただいたため糞を1か所で確認することができました。木の実や小動物の骨が入っている様子を見ることができました。

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△タヌキのため糞。

一番下流側の駐車場まで行ったところで解散としました。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。また鳥の博物館の自然観察会にご参加ください。

October 2日Sunday: 我孫子駅前のねぐら入り

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投稿者: mochizuki
秋から冬にかけて、夕方に我孫子駅前のロータリーに行くと鳥たちが集団でねぐら入りする様子が見られます。
ねぐらは漢字で「塒」と書き、鳥が寝ている場所のことを指します。

我孫子駅前のロータリーの木は、ムクドリやスズメ、ハクセキレイの集団ねぐらとなっていて、日没の30分ほど前から鳥たちが集まってきます。

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日没前は周辺のビルに止まったり、上空を飛び回って忙しなく動き回っていますが、しばらくすると木の中に集まって寝始めます。
先週ざっくりと数えたところ、ムクドリが300羽ほど、スズメが200羽ほど、ハクセキレイが50羽ほどが集まって寝ていました。

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ビルの看板の上の点々は全てムクドリで、数えると58羽いました。手前の木にも20羽ほど止まっているのが分かります。

数百羽もの鳥が集まるので、「襲ってきそうで怖い」と言われることもありますが、ねぐら入りに来た鳥が人を襲うことはありません。安心して観察してみてください。
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投稿者: someya
 これまでも鳥の博物館の位置からイソヒヨドリの声が聞こえることはありましたが、最近は声だけでなく、姿も確認できることが増えてきました。出勤途中に「あっ、いた」なんて気軽にみかけるようになってきて、今後どうなっていくのか気になる鳥です。
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鳥の博物館から撮影したイソヒヨドリ(2022.9.16撮影)
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投稿者: odaya
2022年8月14日(日)に、あびこ自然観察隊「ツバメのねぐら観察会」を実施しました。16名の方にご参加いただき、手賀沼沿いを夕方から夜にかけて歩いて観察を行いました。

手賀沼の南岸にある「道の駅しょうなん」に集合し、ツバメのねぐらのある大津川の河口まで、1時間ほどかけてゆっくりと歩いて移動しました。途中、遊歩道沿いでさえずっているホオジロや、沼の杭にねぐら入りしているカワウを観察しました。

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▲遊歩道沿いでさえずっていたホオジロ。繁殖期が長く、手賀沼周辺では9月上旬ごろまでさえずりが聞かれる。

18時30分ごろ、日没前後に大津川河口にある「ヒドリ橋」に到着しました。大津川河口のヨシ原の様子をみると、スズメはすでに多くがねぐら入りしていましたが、ツバメはまだ数が少ないようだったので、見通しの良いところで様子を見ることにしました。

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▲大津川のヨシ原でツバメを待っているところ。

18時45分ごろから沼沿いのヨシ原の上を飛ぶ様子が観察できたので、ねぐら入り地点の近くに移動して観察を行いました。数千羽のツバメの群れが、ねぐら入り前にヨシ原の上を一斉に移動する様子を観察できました。ツバメの群れは真っ暗になる前、18時55分ごろからヨシの中に徐々に降りていき、19時ごろには飛んでいるツバメはほとんどいなくなりました。

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▲ツバメのねぐら入りの様子(別の日に撮影した写真)。

帰り道では、夜の餌場に向かうカルガモの様子を観察したり、バットディテクター(高い周波数の音を人間の耳で聞こえるように変換する装置)を用いてアブラコウモリの声を聞いたりしました。19時50分ごろに道の駅まで戻り、現地で解散しました。

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▲バットディテクターを使ったアブラコウモリの観察。

ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。また鳥の博物館の自然観察会にご参加ください。
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投稿者: someya
 イソヒヨドリは全国の海岸、崖、河口やその周辺に生息する鳥です。近年、海岸周辺から、かなり内陸へ入ったところでもみられるようになってきました。駅やその周辺のビル街、ショッピングモールなどで子育てしている様子をみかけます。今シーズンは私の生活圏の駅周辺(9駅)全てでみられるようになり、さらに海なし県埼玉のとある駅や周辺のビルで子育てしていました。よく通る声でさえずり、建物に反響してよく声が聞こえます。飛びながらさえずる姿は目立ちます。
 6月下旬、近隣の市で、窓をガラリと開けたら目の前の畑でイソヒヨドリがエサをとっていました。とうとう、こんな日が…。じっくり観察できました。
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「青い鳥(オス成鳥)を見たのですが何という鳥でしょうか。」の問いに対する答えが、イソヒヨドリになることが多くなってきました。みなさんの周辺でもイソヒヨドリをみかけることがあるかもしれませんね。
 
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