過去ログ

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カテゴリ: General
投稿者: someya
 鳥博前の手賀沼親水広場内にあるミニ手賀沼で、生き物調べと水草植栽イベントがありました。ミニ手賀沼は手賀沼を模してつくった人工池です。
 まずはどんな生き物がいるのかみんなで探します。
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 私はみなさんがみつけてくれた生き物を種類ごとに分けていました。魚、エビ、オタマジャクシ…いろいろいました。稚魚もたくさんいましたよ。最高に楽しい時間で夢中でした♪
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 こちらはその中の一種、ツチフキです。この辺りでは移入種ですが、手賀沼でもよく見かけます。
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 みんなでどんな生き物がいるのか確認しました。
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 最後にミニ手賀沼で少なくなってしまったガシャモクを植えてイベントは終了しました、その後水草が鳥に食べられないよう防鳥ネットをかけました。
 暑い中たくさんの方にご参加いただきました。ありがとうございました。

July25日Tuesday: ヒナを拾わないで!!

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投稿者: iwamoto
 鳥の博物館では毎年、鳥の繁殖期になると、次のような ポスターを掲示しています。

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 これは、巣を出た後のヒナが、巣から誤って落ちたものと誤解され、保護されてしまうのを防ぐためのものです。樹上に、草や枝を編んだ巣を設置する鳥は、巣が外敵に狙われやすく、ヒナが飛べるようになる前に、もう巣から出てしまいます。どれくらい早い時期に出るのかというと、これくらいです 。

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 この写真は7月 20 日(木)に、街路樹の上に営巣していたヒヨドリが巣から降りたところを撮影したものです。市民の方からの連絡を受け、当館職員が現地へ行くことになりました。人通りの多い駐輪場にある樹だったので、自転車に踏まれてしまわないように、この後、お店の方にお願いして、わざわざヒナの周囲にコーンを立てて頂きました。

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  大勢の市民が集まってきて、何事かと見守っていましたが、両親はすぐ後ろの樹の上で、興奮して羽を振るわせながら、人間に囲まれた我が子を心配そうに見守っていました。

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 その後、ヒナはいつの間にか姿を消したそうなのですが、その日は合計3羽が樹から降りてくるのを確認できたといいます。翌朝、様子を見に行ってみると、昨日の場所のすぐ近くで、ヒナを見つけることができました。

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 どうやら、ヒナはここまで自力で移動することができたみいでした 。エサをねだって鳴いている上、親鳥も頻繁に飛来するので、簡単に見つけることができました。

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 このような姿を見ると、カラスに襲われないか、とか、猫に襲われないか、などとついつい心配になってしまうのですが、人間が誤って保護してまうと、逆に、親鳥がヒナを見失ってしまい、エサを与えられなくなってしまいます。別に、ヒナは地面に落ちたからエサをもらえないわけではなく、親鳥はちゃんとヒナを見ていて、定期的にエサを運んできます。ですので、どうかヒナを見つけても、拾わずにそっとしておいてあげて下さい(当館の職員が行かなくても、大丈夫です )。
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投稿者: muramatsu
7月も後半に入り、我孫子の小学校では夏休みが始まりました!
早くも博物館には、夏休みの自由研究について何人かが相談に訪れています。
博物館では自由研究のヒントになるように、8月中の土日祝日に小中学生向けの工作・観察イベント「夏の遊びと研究大集合2017」を下記のスケジュールで開催する予定です。
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今年から新しく加わった「しらべてみよう!フクロウのごはん」は、
フクロウのペリット(消化できなかった骨や毛を固めて吐き出したもの)を
実際にバラバラにして、どんな動物を食べているのかを調べるイベントです。
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            フクロウのペリット

生態系の中で頂点に位置するフクロウの食べ物を調べることは、餌動物のバリエーションを知り、環境の特徴を把握する手がかりになります。
普段、なかなか体験できないイベントなので、皆さん、ぜひご参加ください。

July20日Thursday: よく見てみると…

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投稿者: iwamoto
 今年5月の「てがたん」があった頃、我孫子市緑にて、家の玄関のドアから採集されたという、変わった生き物を頂きました。
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 ヤガタアリグモといい、アリによく似た(擬態した)クモの一種です(ハエトリグモ科)。脚の本数を数えてみて下さい。一番前の一対は、触角のようによく動かされているのですが、写真に撮って、動かない状態で改めて観察してみると、その付け根は頭ではなく、むしろ胸から伸びています。ですから、触角ではなくれっきとした脚で、8本脚なのです。けれども、アリのように小さい生き物ですので、よく見なければ、アリだと思って、気付かずに見落としてしまう人がほとんどでしょう。
 ちなみに、博物館内でこれを紹介したところ、クモが嫌いな人には、「たとえアリに似ていても、駄目なものは駄目!」と避けられてしまいました。恐らく、クモだと気付かなければ、まったく平気だと思うのですが…。

 その後、7月上旬のある日、「またクモがいたわよ!」と、博物館の事務室内にいた小さな生き物を、つかまえて下さった方がいらっしゃいました。
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 確かにアリに似ています。…といいますか、こちらはれっきとした6本脚です(触角を御覧下さい。一番前の一対は、ちゃんと頭の先から伸びています)。残念ながら、昆虫に間違いありません。しかし、よく見てみますと、実は、こちらもアリではなかったのでした。ルイスヒトホシアリバチといい、メスには翅がないというハチの一種です(アリバチ科。参考文献:『日本の昆虫1400』文一総合出版)。
 では、どこがアリと違うのでしょうか?『原色日本昆虫図鑑』(保育社)によれば、アリ科の働きアリは、胸と腹の間にこぶ状のもの(腹部第1節)があり(写真参照)、そのこぶが後ろにある腹部とはっきりと異なっていると書いてあります。つまり。昆虫は一般的には体が3つの部分に分かれているといわれますが、働きアリの場合には、その二つ目と三つ目の間に、こぶがあるのでした。
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 しかし、博物館の事務室で見つかった虫にはそれが見られないということで(写真参照)、 ここでもまた、よく似たものに騙されそうになりました(クモ×→アリ×→ハチ○)。しかし、そこで「クモ」とおっしゃって下さったのは、「普通のアリとはどこか違う」という雰囲気の違いが感じ取れたからに他なりません。そのような“勘”が働いたのは、確かに観察眼が鋭いといえます。
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 こういった“そっくりさん”を見破れるかどうかは、観察力が要求されます。しかし、逆に観察力を身につけることができれば、自然の少ない街の中であっても、意外とたくさんの秘密が隠されていることに気付くことができるのかもしれません。家の玄関のドアや、事務室の中といった、身近な場所にもいたのですから。
  生物の多様性が低下していると思われるのは、単に野外の自然が減っただけではなく、もしかすると、観察者の好奇心や識別能力の低下も、意外と、無関係とはいえないのかもしれません。
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投稿者: odaya
少し前になりますが、今年の5月24日のこと、天王台駅北口にある天王台行政サービスセンターから、「鳥が窓ガラスに当たったけど、直ぐに死んでしまった」という連絡をいただきました。市内での鳥の資料収集は、博物館の重要な業務のひとつですので、その日のうちに死体を引き取りに伺いました。

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▲博物館で資料として登録したコジュケイの雄。

資料を見せていただくと、キジの仲間のコジュケイでした。コジュケイは中国原産の外来種で、今から100年ほど前に神奈川県で放鳥されたものが増えて、現在では東北地方から九州にかけての全国各地で普通に見られます。我孫子市でも、林の中から「チョットーコイ」と聞きなされる囀りを良く耳にしますが、本来は街の中にはほとんど出てこない鳥です。

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▲コジュケイの脚。

脚には、鋭い蹴爪(けづめ)がありました。これはキジの仲間の雄だけにみられる特徴で、なわばりや雌をめぐる闘争に使われるものです。

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▲コジュケイが衝突した天王台行政サービスセンターの窓ガラス。

このコジュケイは朝の8時ごろに、道路に面した窓ガラスに衝突したそうです(写真)。ガラスには道が反射しているため、向こう側に飛んで行こうとして衝突してしまったのでしょう。天王台駅北口にもっとも近い林でも、直線距離で400mほどの距離があります。そのため、コジュケイはこのあたりにいる個体ではないようです。5月はコジュケイの繁殖期に当たるので、雌を求めて林から林へと移動する途中だったのかもしれません。
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