過去ログ

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投稿者: someya
 11月4日(土)と5日(日)の2日間、我孫子市でジャパンバードフェスティバル2023が開催されました。コロナ禍ではリモート開催や会場の規模を縮小して行ってきました。4年ぶりにコロナ禍以前の状態に戻しての開催となりました。
 2019年以来のフル開催、再開するイベントの準備をしながら、来場者の方をお待ちしました。会場の1つである鳥の博物館も、開館と同時に多くの来館者で賑わいました。その様子の一部をご紹介します。来年も多くの来場者で賑わうことを楽しみにしています。
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▲外のテントブース
 鳥に関係する団体や食べ物のテントブースがたくさん
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▲鳥の博物館友の会のテントブース ワークショップが行われていました
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▲こちらも友の会のテントブース オリジナルカレンダーが販売されましたが完売しました
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▲鳥の博物館内 ミュージアムショップも混雑していました
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▲午前の館内イベントはハシビロコウの帽子づくり 満員御礼
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▲午後の館内イベントは鳥博クイズ 満員御礼
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▲展示をみながら答えるクイズです
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▲鳥博クイズの全問正解者にはオリジナルポストカードをプレゼントしました
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投稿者: odaya
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 11日4日(土)に、我孫子市生涯学習センター「アビスタ」のホールで第33回JBF鳥学講座を開催しました。今回は、「小笠原諸島の海鳥は、増えたり、減ったり、海を越えたり、越えなかったり」と題して、森林総合研究所鳥獣生態研究室長の川上和人さんにお話しいただきました。

 川上さんは、小笠原諸島をフィールドに、島の鳥の生態系の中での機能や保全管理について研究されています。今回は、長年取り組んでいらっしゃる小笠原諸島の海鳥を題材に、その進化から保全にいたるまでの様々な研究成果を中心にお話しいただきました。

 小笠原諸島はこれまでに一度も日本本土とつながったことのない海洋島で、在来の陸上の捕食者がいませんでした。そのため、海鳥の高密度のコロニーが形成され、21種の海鳥の繁殖記録があります。
 海鳥は高密度でたくさん繁殖します。そのため、島の中を歩き回ることによって森林の下層の植生の発達が妨げられること、地面に巣を作るためのトンネルを掘り、鳥の巣を好む昆虫に生息場所を提供すること、海で餌を食べて島で糞をすることによって窒素やリンを島の陸上に運ぶこと、植物の種を体に付けて島の間を運ぶことなどのさまざまな生態的な機能があることが分かってきました。

 小笠原で繁殖する海鳥の中には、世界でもここだけで繁殖するものがいます。それは、クロウミツバメ、オガサワラミズナギドリ、オガサワラヒメミズナギドリの3種です。クロウミツバメは世界で南硫黄島の山頂付近でしか繁殖していないウミツバメです。オガサワラミズナギドリは南硫黄島と東島だけで繁殖する鳥で、かつてセグロミズナギドリの1亜種とされていましたが、セグロミズナギドリのグループからは遺伝的にかなり異なっていることが分かり、別種とする提案が受け入れられています。オガサワラヒメミズナギドリは、ハワイで採集されていた標本をもとに2011年に新種として記載されたもので、2000年代にしばしば小笠原で見つかっていた小型の種不明のミズナギドリもこれと同種であることが判明しました。その後、父島列島の東島で営巣しているのが見つかり、現在まで世界でこの場所でしか繁殖地が見つかっていません。

 小笠原諸島に広く分布するアナドリという海鳥は、世界中の海に分布していますが、その個体群の間での系統的な違いなどはよく分かっていませんでした。川上さんは、ポルトガルの研究チームとの共同研究で、大西洋、ハワイ、小笠原の個体のそれぞれのDNA配列を比較し、小笠原の集団は、他のすべての集団から最も早く、約85万年前に分岐したことが分かりました。地理的な距離のより近いハワイの集団は、小笠原の集団よりも大西洋の集団により近縁だったのです。なぜこのような現象が起こっているのかははっきりとはわかっていませんが、小笠原とハワイの間には海鳥の食物の量の指標になる植物プランクトンの量が少ないこと、渡り経路が異なることなどが原因として考えられています。

 小笠原諸島に人間が入植したのは1800年代で、彼らによってネズミ類、ネコ、ノヤギなどの外来の哺乳類が持ち込まれました。島ごとに侵入した哺乳類の種数と現在の海鳥の繁殖種数を比較してみると、これには強い負の相関がありました。外来種の哺乳類は、海鳥の卵やヒナ、親鳥の捕食や、植物を食べて森林を草原に変えてしまったことで、海鳥の個体群の減少を引き起こしたのです。

 その後、小笠原では様々な自然再生事業が展開されるようになり、植生を破壊するノヤギの駆除は父島を除くすべての島で完了しました。その結果、クロアシアホウドリ、カツオドリ、オナガミズナギドリ、アナドリなどの海鳥については増加していることが分かっています。しかし、小笠原の過去の海鳥相はあまりよくわかっておらず、これらの在来種の増加は、回復と言ってよいのかどうかわかりません。

 そこで、川上さんたちは海鳥繁殖地である南島の鍾乳洞から海鳥の骨を発掘し、人間が入植する前の海鳥相を復元しました。その結果、現在は限られた島で少数が繁殖しているだけのシロハラミズナギドリ、オガサワラミズナギドリ、オガサワラヒメミズナギドリの3種の骨が非常に多く出土し、この3種だけで全体の約70%を占めることが分かりました。このうちいくつかの骨を年代測定してみると、いずれも数千年前から数百年前のもので、幼鳥の骨も出てきました。そのため、人間の入植前まではたくさん繁殖していたけれど、外来種の侵入によってこれらの種類は大きく減少したことが分かりました。すなわち、回復しているように見えている海鳥の個体群は、実は分布の狭い小型の固有種から、広域に分布するより大型の種に入れ替わってしまっていたのです。

 では、これまでの保全活動は失敗してしまったのでしょうか? 川上さんは、現在の状況は回復までステップの一つだと説明されました。まず、海鳥の生態系の中での機能が元に戻りつつあるのが現在の状態で、これから小型の固有種を含むかつての海鳥相に近づいていくために多様性の回復を進めていくことが重要とのことです。このように、かつてのあるべき姿がどのようなものであったかを復元し、目指すべき目標を定めていくことは、小笠原の海鳥に限らず、私たちの身近な生物多様性を保全していくために普遍的に重要なことではないか、というお話で講演を締めくくられていました。

 講演のあとには、「なぜ海鳥には保全対策で増える種と増えない種がいるのか」、「海鳥の繁殖場所の好みと分布の広さに関係はあるか」などについて来場者からの質問をいただき、川上さんにわかりやすくお答えいただきました。特に、「何のために希少な海鳥を保全するのか」というご質問に対しての、「生態的な機能や生態系サービスの有無にかかわらず、私たちの知的好奇心を刺激してくれることそのものが、その生物を守る意義ではないか」というお答えは、生物多様性を守っていきたいと考える多くの人を勇気づけるものだと感じました。
 今回の鳥学講座は、同時中継の別会場を合わせて198人の方にご参加いただきました。ご好評をいただいたため、会場の都合で入室をお断りせざるを得なかったみなさまにはお詫びいたします。ご講演いただいた川上さん、ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

参考資料:
今回のお話しのもとになった論文の日本語プレスリリース

・オガサワラヒメミズナギドリの営巣地の発見
https://www.ffpri.affrc.go.jp/press/2015/20150324/index.html

・オガサワラミズナギドリの系統の研究
https://www.ffpri.affrc.go.jp/press/2018/20180125/index.html

・アナドリの系統の研究
https://www.ffpri.affrc.go.jp/press/2023/20230411/index.html

・鍾乳洞で見つかった骨からわかった海鳥相の変化
https://www.ffpri.affrc.go.jp/press/2022/20220720/index.html

今回のお話の内容と関係した川上さんの著書
「無人島、研究と冒険、半分半分。」
https://www.tokyo-shoseki.co.jp/books/81714/
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投稿者: someya
 我孫子市我孫子中学校の生徒さんが職場体験に来館されました。博物館ではどのような人が働いていて、どのような仕事をしているのか、知ってもらえる貴重な機会です。
 博物館での仕事は展示をするだけではありません。職場体験をきっかけに博物館に興味を持ってもらえたらいいなと思いながら取り組み、私にとってはあっという間の一日でした。展示室での作業、標本が収蔵してある収蔵庫での作業、イベントの準備など、様々な業務を体験してもらいました。
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▲本で調べながら分類順に標本をしまいました
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▲ミュージアムショップで販売業務を体験
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▲見やすいパネルって?解説で使うシートや案内表示をつくりました
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▲作品が完成しました
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