先日、我孫子市内で繁殖調査を行っておりましたイソヒヨドリが無事、巣を離れることができましたので、報告させて頂きます。ヒナが巣穴から出た後も、飛び回れるようになるまでは、巣穴のあった付近でしばらくの間、ヒナと親鳥が地上での生活を続けておりました。

20170628-photo.jpg

 しかし元々、地域に生息していなかった鳥でしたので、住民の皆様は初めて経験されることばかりで、驚きの声も聞かれました。特に、ヒナを守るために親鳥が威嚇をする様子は、他の鳥とは異なっていました。

20170628-dsc_6211_2_.jpg

 まだよく飛べないヒナの近くに人間や犬が近づくと、親鳥が近寄ってきて、目の前で鳴き続けます。停めていた車や自転車の傍にヒナがいたのに気づかずに乗ろうとされた方や、少し飛べるようになったヒナが家のベランダの手すりにとまった方などは、見たこともないような鳥が突然、すぐ目の前で大きな声で鳴き始め、わけも分からず、びっくりされたようでした。

20170628-dsc_6511_2_.jpg

 調査を行っている最中にモビング(わざとすぐ近くをかすめるように速く飛ぶこと)をされたり、小学生が威嚇されたりしたこともありました。しかし、猛禽類やカラスのように体当たりされることはなく、人が怪我をされたという話は聞いておりません。

20170628-dsc_3954_2_.jpg

 温かく見守ってくださったお蔭で、最後は無事に飛べるようになり、他の場所へ移ってゆきました。普段から、住民の皆様には調査中も声をおかけ頂き、たくさんの情報をご提供頂きました。まことに有難うございました(下の写真は、親と同じ姿になったヒナです)。

20170628-dsc_6772_2_.jpg

 なお、この鳥は同じ場所にまた営巣することもあります。別の場所では、今年2回目の繁殖を始めたという情報も寄せられております。もしかしたら、また調査に伺うことがあるかもしれませんが、今後ともよろしくお願い致します。