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10月24日に、2020年10月のテーマトークを実施しました。8月と同様にYoutube liveを用いたライブ配信で行いました。
本来10月17日に予定しておりましたが、機材トラブルにより定刻までに延期になることをお知らせできず、17日に視聴しようとされていた皆さまには大変ご迷惑をおかけいたしました。申し訳ありませんでした。

今回は、我孫子市鳥の博物館学芸員の齊藤安行さんに、「ムクドリの子育て事情」と題して講演いただきました。

ムクドリは人の生活圏に大きな集団ねぐらを作るため、鳴き声の騒音やフンの被害が問題になっています。一方で、農業被害をもたらす害虫を食べてくれるなどの益鳥としての側面もあり、生態系の中では種子散布者としての役割を担っています。

齊藤さんは1980年代前半に神奈川県で巣箱を用いたムクドリの繁殖生態の研究を行われており、今回はその結果についてお話しいただきました。ムクドリの繁殖期は大きく2つに分かれること、繁殖期の前期には前年も繁殖した成鳥が中心となり、後期では再繁殖個体や若い個体が参加して行われることなどをご紹介いただきました。また、種内の托卵がしばしば起きるがあまり成功しないことなど、行動生態学的に興味深い研究成果をご紹介いただきました。
質疑応答では、前期の繁殖に参加しない若い個体はその間何をしているのか、ムクドリに巣箱を使ってもらうためにどのような工夫をされているかなどについての質問に答えていただきました。

今回のオンライン講演は、最大同時に92人の方に視聴していただきました。ご視聴いただいた皆様、ありがとうございました。11月のテーマトークはお休みです。12月は山階鳥類研究所の水田さんにアマミヤマシギの生態に関する研究成果をお話しいただきます。視聴方法などについては、山階鳥類研究所・我孫子市鳥の博物館ウェブサイトで改めてご案内します。