今日のテーマは「DNAから分かるカワラヒワの地理的変異」、山階鳥類研究所自然誌研究室の齋藤武馬さんにお話いただきました。
 これまで記載されていたカワラヒワの亜種を、DNAの塩基配列を用いた系統分類の手法で再検討した結果について紹介してくださいました。
 現時点までの結果では、亜種オガサワラカワラヒワは、別種と呼べるくらい、古い時代に分岐したことが分かり、一方、亜種オオカワラヒワは、ほとんどちがいが検出されなかったそうです。今後、亜種オオカワラヒワについては、より進化速度の速い遺伝子の領域を調べることが、今後の課題とのことでした。
 また、別種ほどちがいのあるオガサワラカワラヒワは、現在、小笠原諸島や硫黄列島のごく一部の属島で繁殖するのみで、個体数も数百羽と推定されており、絶滅の危機に瀕しているそうです。