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△カモメの仲間のウミネコ。

12月24日に、2022年12月の鳥のサイエンストークを実施しました。これまでと同様にYoutube liveを用いたライブ配信で行いました。今回は、山階鳥類研究所研究員の岩見恭子さんに「鳥の学術標本作り・中級編 ―中型の海鳥を作ろう―」と題してお話しいただき、学術標本の製作の実演もしていただきました。このようなライブ配信は、2021年7月に行った試みに続いて2回目となりました。

まず、鳥の標本を集める目的や保管方法などについてお話しいただきました。剥製を作る大まかな手順を説明いただいてから、さっそく実際の製作に入りました。今回は中型の海鳥であるカモメの仲間のウミネコを材料に、皮むきから縫い合わせるまでの一連の流れを見せていただきました。手元を写したカメラを使って、作業上のポイントを見せていただきながら解説していただいたので、どのように標本が作られているのかがよくわかりました。今回の材料は繁殖地に侵入したキツネによって殺されてしまったもので、体に残る傷も標本製作の際に記録していることをお話しいただきました。

基本的な手順は前回のアカショウビンと大きく変わりませんが、海鳥では個体によって脂肪の量が多いことが特徴です。長期保存に耐えうる標本を製作するには、しっかり皮から脂肪を除去することが重要であることを強調されていました。

講演のあとに、視聴者のみなさんとチャット機能を用いて質疑応答が交わされました。標本が昆虫の食害にあってしまった場合にどのように対応するか、剥製を作る際の衛生管理をどのように行うか、何点くらい作れば上手に作れるようになるかなどについて、岩見さんにわかりやすくお答えいただきました。

今回のオンライン講演は、最大同時に102人の方に視聴いただきました。ご視聴いただいた皆様、ありがとうございました。今回のライブ配信の見逃し配信は行いません。

次回、2023年1月のテーマトークは、1月21日(土)に、山階鳥類研究所の富田直樹さんに、伊豆諸島の鳥島で繁殖する海鳥についてお話しいただきます。配信方法などについては、山階鳥類研究所・我孫子市鳥の博物館ウェブサイトで改めてご案内します。次回もぜひご視聴ください。