5月6日に、あびこ自然観察隊「シギ・チドリに会いに行こう」を実施しました。22名の方にご参加いただき、シギ・チドリを探して、我孫子市東部の水田地帯を歩きました。

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新木駅に集合してから5分ほど歩くと、手賀川沿いの水田地帯に出ました。冬の間はカラカラだった水田に水が張られ、多くの水田で田植えが終わっていました。

さっそく、遠くの水田にムナグロがの群れが降りているのが見つかりました。良く見ると、少し背の低いキョウジョシギも入っています。ムナグロはきょろきょろしながら走って餌を捕っていたのに対して、キョウジョシギはひたすら下を向いて畔や田んぼの泥を嘴でひっくり返していました。

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△白と黒のコントラストが美しい夏羽になったムナグロ。

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△畔で採食するキョウジョシギ。

「ピューイ」と笛のような涼しげな声が聞こえると、灰色のシギが飛んできました。キアシシギです。田んぼの畦沿いを歩きまわって水生昆虫の幼虫を食べているようでした。

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△キアシシギ(左端)とムナグロ、キョウジョシギ(右端)の群れ。しばしば異なる種類が群れをつくっているのが見られます。

さらに歩いていくと、チュウシャクシギが飛んでいるのが見つかり、少し距離はありましたが田んぼの中に降りて餌を探しているところも観察することができました。手賀沼周辺で普通に見られるシギ・チドリの中では最も大きな種類で、アメリカザリガニなどを好んで食べます。

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△水田に降りて餌を探すチュウシャクシギ。

この4種類は、いずれも長距離を渡る種で、繁殖地の北極圏と越冬地のオーストラリアなどを毎年往復しています。その渡りの途中で日本に立ち寄り、渡りのために必要な栄養を補給しているのです。渡りの中継地として、日本の水田がとても重要な役割を果たしていると考えられています。

今回の観察会では、一部の方が見られたコチドリとタシギの2種を加え、併せて6種のシギ・チドリの仲間を観察することができました。
てがたんのコースとは異なる開けた農地の環境の中で、自然観察を楽しみました。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。また鳥の博物館の自然観察会にご参加ください。