今回は山階鳥類研究所保全研究室研究員の仲村昇さんにお話いただきました。テーマは「鳥の木登り、ヒトの木登り」でした。

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 始めに、鳥の木登りについて、鳥の体のつくりなどを交えてご紹介頂きました。鳥といえば「飛ぶ」というイメージが強いですが、飛行能力を獲得する前、鳥の祖先は手足を使って木に登っていました。鳥が飛べるようになった後、猛禽類やブッポウソウ、ヒタキ類など、森林に暮らしていた鳥のほとんどは木に登らなくなりました。アマツバメの仲間は飛ぶことに特化してきたため、歩くこともしなくなり、飛び上がることもできなくなりました。しかし、フクロウのヒナやツメバケイ、キツツキの仲間など一部の鳥は今でも木に登ります。海鳥のオオミズナギドリは地面から飛び立つことが苦手です。そのため木に登ってから飛び立ちます。
 また、鳥を扱う研究者も、鳥の巣の採集、鳥の標識調査、巣箱の設置など様々な目的で木に登ります。ぶり縄(2本の棒とおよそ10mのロープを組み合わせた道具)や、ロープと安全帯を使って登ることもありますが、道具を使わずに木の枝を手掛かりにして登ることもあるそうです。体力と経験が必要ですが、身軽に早く登ることができるという利点があります。実際に木に登っていく様子や、ヘルメットに付けられたカメラからの風景もご紹介いただきました。

 今回は22名の方にお集まり頂きました。ご参加頂いた皆様、お話頂いた仲村さん、ありがとうございました。