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1月13日に、1月のテーマトークを開催しました。今回は、山階鳥類研究所自然誌研究室研究員の岩見恭子さんに、「鳥の標本ってどんなもの?はくせい標本の作り方」と題してお話しいただきました。

鳥類の標本は、剥製(はくせい)、羽毛、卵、骨格などの資料を半永久的に保存可能なように加工したものです。標本は、種の同定や分類、どのように進化してきたかなど、様々な研究に欠かせないなものです。山階鳥類研究所では、主に野外で死んでしまった鳥を収集し、標本として資料を後世に残す活動を行っています。

山階鳥類研究所ではおよそ7万点の鳥類標本を保管しています。それだけ収集しても、まだ集める必要があるのか、疑問に思う方もいるかもしれません。
生き物の生態や分布は不変のものではなく、時代とともに変化しています。採集地や採集場所とともに標本を保存することで、過去の情報も遡って言えることができるのです。実際に、博物館標本を用いて、温暖化に伴う鳥の形態の変化や、羽毛に蓄積されている有害な化学物質の変化を調べた研究も行われています。地域や時代を代表する証拠を残していくことが、将来の研究の可能性を広げることにつながるのです。

岩見さんは、鳥のはくせい標本の作り方を説明するために、カケスをモデルにしたぬいぐるみを作って持参されました。はくせいをつくる時にどの部分を切り離して、中にはどのような芯を入れるのか、分かりやすく実演しながら説明していただきました。
そのあと、参加したみなさんに実物の標本に触れてもらいました。コアホウドリの翼標本や、ネコとオジロワシの頭骨の重さ比べなど、標本にさわったり、においをかいだりすることで、実際の標本がどんなものなのか、理解を深めていただけたと思います。

41名の方にお集まりいただきました。ご参加いただいたみなさま、お話しいただいた岩見さん、ありがとうございました。