JBFの2日目、鳥博2階多目的ホールにてJBFゲストトークを行いました。「はばたけ!しんはま!!〜行徳野鳥観察舎と行徳鳥獣保護区のお仕事〜」と題して、野長瀬雅樹さん(NPO法人行徳野鳥観察舎友の会主任研究員)にお話しいただきました。

かつての東京湾には広大な干潟が広がっていましたが、保護活動によってわずかに残された場所の一つが行徳鳥獣保護区です。鳥獣保護区では湿地環境の復元が行われ、鳥類の生息場所として適した環境を目指して整備が行われています。保護区の鳥類の調査では、一般的な鳥類の生息状況調査に加え、最近ではカモメ類の標識調査が行われ、日本で越冬するセグロカモメの繁殖地の解明などの研究で成果をあげられています。また、千葉県内で唯一の傷病鳥の保護施設である野鳥病院を併設しており、年間約400羽の鳥を受け入れて野生復帰を目指して保護しています。こうした活動を軸に、環境教育活動を展開していて、多くの市民の方に鳥を通じて環境を守ることの大切さを伝えいる施設です。

ところが、2015年末をもって、行徳野鳥観察舎は耐震強度が弱いことを理由に無期限の休館になってしまいました。現在、野鳥病院と保護区の管理、観察会などの業務は継続されていますが、観察舎の再開は未定とのことです。鳥の魅力を多くの人に伝える素晴らしい施設が、1日も早く再開されることを願ってやみません。

ゲストトークにはのべ37名の方に来場いただきました。参加いただいたみなさま、講演を引き受けていただいた野長瀬さん、ありがとうございました。