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 今日のテーマトークは、「ウグイスの亜種の謎をDNAで調べたら」をテーマに、山階鳥類研究所自然誌研究室の浅井芝樹研究員にお話いただきました。
 はじめに、亜種とは何か、またDNAを用いた系統分類の手法についての解説があり、その後のお話がよく理解できました。
 梶田ほか(2002)により、沖縄島で見られるウグイスは色彩や計測値から二つのグループに分けられ、一つは絶滅したとされる亜種ダイトウウグイスであり一年中見られ、もう一方は亜種リュウキュウウグイスで冬期のみ見られることが報告されています。
 このことについて、ミトコンドリアDNAを用いて確認したのが、今回のお話しでした。また、亜種リュウキュウウグイスの繁殖地は未定ですが、樺太産のウグイスのサンプルと遺伝的な差がほとんど無いという結果が得られました。
 そして、ミトコンドリアDNAの分析では、現時点ではチョウセンウグイスグループ、ハシナガウグイスグループ、その他のグループにしか分けることができないが、今後は大きなひとくくりとなったその他のグループについて核DNAのマイクロサテライトを比較し、分析を進めたいとのことでした。今後の研究成果が楽しみです。