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 山階鳥類研究所の副所長の尾崎さんが、ズグロカモメについてお話してくださいました。
 国内では、主に西日本で越冬するズグロカモメですが、分布が限られているため、IUCNのレッドリストでは危急種に位置づけられています。
 ズグロカモメの繁殖地が確認されたのは、比較的最近で、中国の遼寧省盤錦の塩性湿地が最大規模です。ここで繁殖した個体が日本で越冬することも標識調査から明らかにされています。
 海岸に近い広大な裸地で繁殖することや、干潟で上空からの急降下で餌を捕らえることなど、コアジサシに似た生態が知られています。
 ズグロカモメの繁殖地や採餌場所は、干拓や埋め立てなど人間活動の影響を受けやすい環境にあり、まるで東京湾の埋め立て工事により減少していったコアジサシと同様の経過をたどるのではないかと懸念されています。