先月、地域の年中行事「オビシャ」を見て来ました。私が住んでいる地域のオビシャには男オビシャと女オビシャがあり、私は女オビシャに行きました。オビシャは元来、的射でその年の豊凶を占う行事ですが、私の地域では以前から的射は行っていません。
 行事の事前準備として、当日に使う「鶴亀」と呼ばれる飾りがつくられます。簡単に言うとカメの甲羅模様を描いた聖護院大根に松、竹、梅を刺し、折り鶴などを飾るというものです。今回は父がカメの甲羅模様を描く係です。私に「カメの甲羅の模様ってどんな感じだ?」と聞いてきた理由がよく分かりました。
 大根に松竹梅を刺す…聞いただけではもう何が何だかわかりません。我が家で栽培した聖護院大根を使い、父が描いたカメの甲羅模様…。百聞は一見に如かずということで、オビシャの見学に行きました。オビシャには流山市立博物館の方が調査に入られていました。ラッキーなことに調査の様子も見学できることになりました。
 現在、親の世代が中心に行っていて、子どもの頃からオビシャの話を聞いていた私は身近に感じるものの、行事に入らせてもらうのは初めてでした。「みんなで集まってご飯を食べるもの」と聞いていましたが、いやいや、なんだかいろいろやっています。母が当番ということもあって、気になることは遠慮なく聞くことができました。ここには書ききれませんので、詳しい内容には触れませんが、充実した時間を過ごすことができました。
 気になっていた「鶴亀」ありましたよ!不動明王の描かれた掛け軸の前に鎮座していました。オビシャ終了後に撮影した実物がこちらです。
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▲カメの頭やあしはゴボウです
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ウメの枝にアオキの芽が刺してありました。
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私「これって…」
オビシャ出席者「ウグイスを模したものだよ」
 でました!ウメにウグイス事件(自分の頭の中での勝手な名称)。梅の木によくやってくる黄緑色の鳥はメジロであってウグイスではありません。でも「梅に鶯」を間違いだと言い切るのも難しい。「梅に鶯」とは取り合わせがよく、調和するものの例えです。ウグイスの声と梅の取り合わせは確かに似合っています。しかし、ウグイスは枝先に頻繁にとまって鳴くような鳥ではなく、梅にとまっている黄緑色の鳥と言えばメジロの方がしっくりきます。
 ウグイスとメジロの標本を見比べます。
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▲うぐいすきなこのような黄緑色ではなく茶褐色
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▲黄緑色で目のまわりの白いリングが特徴
見比べてみると全然違う鳥であることがわかります。ぜひ展示室で両者の違いをご確認下さい。