過去ログ

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投稿者: odaya
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12月18日に、2021年12月のテーマトークを実施しました。これまでと同様にYoutube liveを用いたライブ配信で行いました。今回は、山階鳥類研究所 コレクションディレクターの鶴見みや古さんに「山階博士が作った図鑑、こんな資料が残っていました」と題してお話しいただきました。

山階鳥類研究所創設理事長、山階芳麿博士(1900-1989)は、「日本の鳥類と其の生態」という図鑑を1934年(第1巻)と1941年(第2巻)に出版しました。山階博士はドイツ留学時に手にした図譜の美しい版画の挿絵に影響を受けて、日本産鳥類について同様の書籍を作ることを志したそうです。

「日本の鳥類と其の生態」の巻頭には、本書の目的として、「本書は日本産鳥類全部に関する既知の事項を総合整理して一般の了解に便すると共に将来の研究の伴侶たらしむる目的を以って執筆したものである。」と記されており、日本産鳥類の形態や生態について文章と精緻な図を用いて大変詳しく述べられています。この図鑑に用いられた原稿や原図などの資料は、現在も山階鳥類研究所に多く保管されています。

本書の図の多くには「著者原図」と記されていますが、実は、これらの多くは山階博士自身の手によるものではありません。最も多くの図版を描いたのは鳥類画家の小林重三(こばやし・しげかず)で、小林が原図を描いた後、木口木版(こぐちもくはん)の職人によって版木が彫られ、図版として使用されたものです。また、カラーの図版のいくつかは、山階博士の夫人の山階寿賀子によって描かれたものであることがわかりました。いずれの図版も、標本をもとにして描かれたものであることが、原画の裏に残されているメモから明らかになっています。また、これらの図版の原画や木版の試し刷りには、山階博士による修正指示があったこともわかっています。

本書は当初5巻組で出版される予定でしたが、第2次世界大戦の様々な影響で、3巻以降は完成することはありませんでした。しかし、その情報量や内容の正確さから、現在でも多くの研究者に活用されています。
第1巻の出版社である梓書房の岡茂雄と、第2巻の出版社である岩波書店の岩波茂雄は、ともに堅牢な書籍を出版することに強いこだわりを持っていたようで、出版前の試験として本を床にたたきつけてその丈夫さをテストしていたとのエピソードもご紹介いただきました。

講演のあとに、質疑応答が交わされ、「3巻以降の構成についてやその残っている資料はあるのか」「木口木版を彫った人は誰なのか」などについて鶴見さんにお答えいただきました。

今回のオンライン講演は、最大同時に55人の方に視聴いただきました。ご視聴いただいた皆様、ありがとうございました。今回のライブ配信は、12月25日(土)まで以下のURLより見逃し配信を行います。
https://www.youtube.com/watch?v=1bzIFeNz0IY

次回、2022年1月のテーマトークは、山階鳥類研究所の平岡 考さんに、標本を利用して鳥の換羽を調べる例として、先島諸島産のキンバトに関する調査結果をお話しいただきます。配信方法などについては、山階鳥類研究所・我孫子市鳥の博物館ウェブサイトで改めてご案内します。次回もぜひご視聴ください。

参考資料:

・今回のお話のもとになった報告:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jyio/45/2/45_136/_article/-char/ja/

・小林重三について
http://www.yamashina.or.jp/hp/yomimono/shozomeihin/meihin04.html

・山階寿賀子について
http://www.yamashina.or.jp/hp/yomimono/shozomeihin/meihin02.html
カテゴリ: General
投稿者: saito
 今年で設立20周年を迎える鳥の博物館友の会。第17回目の企画展が始まりました。
 今回のメイン展示は、鳥凧同好会のクマタカ凧づくりです。クマタカ凧が出来上がるまでを詳しく紹介しています。
 合わせて、デジカメ同好会・鳥絵同好会・万葉集同好会・しちじゅうにこうの会・みて歩こう会の活動も紹介しています。
 コロナ感染対策に留意し、ご覧ください。

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▲展示室入口。

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▲鳥凧同好会の展示。

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▲今回のメイン展示、クマタカ凧とその制作過程を詳しく紹介しています。

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▲クマタカ凧の骨組み。

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▲クマタカ凧のあしの部分の展示。

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▲凧づくりの道具と材料。

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▲大作、帆船の立体凧。

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▲デジカメ同好会の展示。

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▲鳥絵同好会の展示。

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▲万葉同好会の展示。

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▲しちじゅうにこうの会の展示。

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▲みて歩こう会の展示。

友の会展は、令和4年1月16日(日)までです。

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