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 今月のテーマトークは、山階鳥類研究所自然誌研究室専門員の小林さやかさんに「拾われた珍鳥はどうするの?−標本材料収集の現場から−」というテーマでお話いただきました。
 まず始めに、小林さんが日常行っている、鳥類資料の入手から標本作製、データベースへの登録、保管といった標本管理の一連の手順について紹介されました。最近では、分析技術の進歩により、剥製や骨格標本ばかりではなく、DNAサンプルなど保存する資料が多岐にわたるそうです。
 さて、今日のテーマの珍鳥が拾われた場合ですが、国内での記録が少ないか無い場合が多く、この記録を論文として客観的に記載しておかなければ、日本鳥類目録にも採択されず、日の目を見ないことをお話されました。
 また、珍鳥について論文として記述する際に、その鳥のことを調べる過程で、既存の日本の資料には誤りを発見することも多く、こうした間違いを正す意味でも、論文化は重要であるとのことでした。
 最後に、珍鳥を拾った場合にすべき鉄則として、①記録を論文として発表すること、②資料を標本として残すこと、③その種について深く調べて既存の記載と比べてみること、を挙げられました。
 珍しい鳥(もちろん普通種でも同様ですが)の死体を拾った場合は、研究所や博物館へ連絡し、記録を残すことができるようにしましょう。