過去ログ

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カテゴリ: General
投稿者: saito
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 8月のテーマトークは、山階鳥類研究所自然誌研究室研究員の浅井芝樹さんにお話いただきました。今日のテーマは、「白い羽色異常はどういう仕組みで起きる?」でした。
 野外で白化した鳥が見つかると、しばしばニュースに取り上げられ、例えば「アルビノのツバメ発見!」などの見出しがつけられます。しかし、これはまちがった用語の使い方であったということがよく分かるお話でした。
 アルビノの定義は、メラニンを体内で生成する時に必要なチロシナーゼという酵素を全く持たない色素異常であり、したがってアルビノ個体はメラニン色素を全く持ちません。羽色の白化に少し知識のある方ならば、アルビノは、虹彩にもメラニン色素が無いため、赤目であることをご存知かも知れません。虹彩にメラニン色素を持たない目は、絞りの無いカメラのようなもので、焦点が合わず、視覚をたよりに生きる鳥にとっては致死的異常だそうです。こうした理由から、野外でアルビノの個体が生き残ることは困難だろうとのことでした(アルビノではないがInoというメラニン色素が大きく変形する色素異常個体では、視力は保ったまま赤目になる場合があるため、アルビノと誤認されがちなので要注意とのこと)。
 なお、野外で見られる白化について、次の6つの要因を紹介してくれました。
 ①Leucism(発生段階でのメラニン色素の体全体への配分異常)、②Progressive greying(年齢や病気による進行性灰色化)、③Brown(ユーメラニンの変形による褐色変異)、④Dilution-pastel(フェオメラニンとユーメラニンの減少による淡色化)、⑤Dilution-isabel(ユーメラニンの減少による淡色化)、⑥Ino(フェオメラニンとユーメランが大きく変形することによる色素異常)、以上です。
 今日のお話を聞いた人は、これからは野外で白化個体を見つけたとき、原因が何かとても気になることでしょう。
 今日のお話の基となったのは、イギリスの雑誌British Birdsに掲載されたHein van GrouwさんのWhat Colour is that bird?という記事だそうです。より詳しく知りたい方は、Google Scolarで入手可能ですのでぜひご覧ください。
カテゴリ: General
投稿者: saito
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 7月26日(木曜日)に引き続き、手賀沼課との共催で「手賀沼のプランクトンと水鳥を観察しよう」を実施しました。
 今回は、19人の小学生と10人の保護者、総勢29人が参加しました(前回は、小学生9人、保護者4人の計13人参加)。
 午前中は、ペットボトルと台所の水切りネットを使ったプランクトンネットづくり、午後は、手賀沼遊覧船での船上バードウオッチングとプランクトン採集および観察と盛りだくさんでした。
 船上バードウオッチングでは、カルガモ、コブハクチョウ、カワウ、オオバン、カイツブリ、コサギ、ダイサギ、アオサギ、ツバメ、サシバなど見られました。船尾でボラの稚魚がさかんにはねていました。水縁には、ナガエツルノゲイトウやオオミズキンバイなど特定外来生物に指定されている侵略的外来植物がそれぞれ白と黄色の花を咲かせて繁茂しているのを皆で確認しました。
 手賀沼で採集したプランクトンを観察した結果、クンショウモやクラミドモナス、ボルボックスなどの緑藻類やメロシラ、エスガタケイソウ、イカダケイソウなどの珪藻類などの植物プランクトンのほか、ワムシの仲間やラッパムシなどの動物プランクトンも見られました。
 参加者は、これまであまり見たことの無い微小な顕微鏡下での生き物観察や水上からという非日常的な視点からの鳥の観察をそれぞれ楽しんでくれたようです。
 
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