20130309-thematalk.jpg

 今日、3月9日(土)、毎月恒例のテーマトークを行いました。
 今回は、公益財団法人山階鳥類研究所保全研究室の米田重玄(こめだしげもと)さんにお話ししていただきました。
 2010年9月から2012年9月までの2年間にわたり、JICA(国際協力機構)の技術指導プロジェクト「人とトキが共生できる地域環境づくりプロジェクト」に参画された時に見た、中国陝西省洋県での野生のトキの生息状況やプロジェクトの内容について、紹介していただきました。
 現在世界中(といっても東アジア)のトキの数は約2,000羽ですが、その全てが中国陝西省洋県で見つかった2つがい7羽のトキから繁殖したものです。
 写真で紹介された洋県の農村風景は、日本の約30年前によく似ていましたが、農家が営む稲作の一年の周期に合わせてトキもくらしている様子がよく理解できました。田んぼのタウナギもトキの主要な餌になっているのはビックリです。この地域の主要な生産物であるナタネ油採集のために菜の花畑が拡大し、トキの主要な餌場となっている田んぼが減少していることもトキ保護上の一つの課題になっているそうです。