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投稿者: saito
 鳥の博物館は、開館以来公益財団法人山階鳥類研究所と協力関係にあり、学術的な面でアドバイスいただいたり、共催の事業を開催してきました。
 この度、この協力関係を確固とするため、山階鳥類研究所と我孫子市教育委員会との間で協定を締結し、今日(2021年3月23日)調印式が行われました。
 これから一層協力関係を深め、相互の活動が活性化することが期待できます。

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山階鳥類研究所 壬生基博理事長(右)と我孫子市教育委員会 倉部俊治教育長(左)
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投稿者: odaya
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3月20日に、2021年3月のテーマトークを実施しました。これまでと同様にYoutube liveを用いたライブ配信で行いました。

今回は、山階鳥類研究所自然誌研究室研究員の小林さやかさんに、「古い標本が語るもの ―明治に米国スミソニアン博物館から送られた鳥類標本―」と題して、古い標本の歴史にまつわる研究のお話しをしていただきました。

山階鳥類研究所には約80,000点におよぶ日本最大の鳥類の標本コレクションが所蔵されており、100年以上前に製作された古い時代の標本も多く含まれています。そのうち、東京帝室博物館(現在の東京国立博物館)から学習院を経て寄贈されたものが3,300点以上も含まれています。

古い文書の記録をさかのぼると、東京帝室博物館と東京教育博物館(現在の国立科学博物館)は1877年と1887年の2回にわたってアメリカのスミソニアン博物館から合計1300点以上の鳥類標本の寄贈を受けていることがわかりました。そして、日米双方に保管されている台帳の照合から、それらの標本の大部分は山階鳥類研究所に現存していることが明らかになりました。

資料や台帳などの照合を行うことで、失われたり誤ってラベルに記入されていた情報を復元することができたとのことです。たとえば、山階鳥類研究所で最も古い標本と思われていた1779年に採集されたとラベルに記されていたアメリカオグロシギの採集年は、正しくは1879年だったことがわかりました。

これらの標本群には、カロライナインコなどの絶滅種や、リュウキュウヒヨドリ、リュキュウカラスバトなど日本産鳥類のタイプ標本(種や亜種の記載のもとになる学術的に重要な標本)が含まれています。これらは、日本側から分類学的に重要な標本を送った対価として贈られたものではないかとのことです。また、著名な人物が採集した標本として、第26代アメリカ大統領のセオドア・ルーズベルトや作家のW.H.ハドソン、鳥類図譜の制作者であるジョン・グールドが採集・収集した標本などが見つかったとのことでした。

講演の後には、標本をやり取りしていた日本側の担当者は誰だったのか、当時の交換にあたっての標本の収集方針などはあったのかなどについて質疑応答が交わされました。

今回のオンライン講演は、最大同時に42人の方に視聴いただきました。ご視聴いただいた皆様、ありがとうございました。今回のライブ配信は、以下の同じURLから4月3日までご視聴いただけます。
https://www.youtube.com/watch?v=tppgNOFvBSA

次回、4月のテーマトークは、山階鳥類研究所の千田万里子さんに、標識調査で明らかになった鳥の寿命についてのお話をしていただきます。視聴者のみなさんが寿命を知りたい鳥の種類をチャットでリクエストしていただき、それにお答えする形式でのお話も予定しています。視聴方法などについては、山階鳥類研究所・我孫子市鳥の博物館ウェブサイトで改めてご案内します。次回もぜひご視聴ください。

参考資料:
小林さやか・加藤 克 (2017) 明治・大正期に収集された国立博物館の鳥類標本コレクションの検証―山階鳥類研究所所蔵の帝室博物館旧蔵鳥類標本の歴史的背景とその評価―.日本動物分類学会誌 43: 42-61.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/taxa/43/0/43_42/_article/-char/ja/

小林さやか・加藤 克 (2020) 東京帝室博物館旧蔵鳥類標本コレクションの歴史―スミソニアン米国立博物館に由来する標本に注目して―.日本動物分類学会誌 49: 45-55.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/taxa/49/0/49_45/_article/-char/ja/

山階鳥類研究所標本データベース
https://decochan.net/
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投稿者: someya
 本日、取材がありました。北千葉導水路※が20年経過したことから、改めてその効果や重要性を広く認知してもらおうとデジタルコンテンツを作成されるそうで、鳥の博物館からは木下館長(写真右)がインタビューを受けました。館内の様子を紹介すると共に、手賀沼の変遷ついて話をしました。
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 完成したデジタルコンテンツは沿川の方々や地方公共団体などが閲覧の対象とのことです。完成が楽しみです。

※北千葉導水事業の背景と目的
・首都圏の人口増加等にともない水需要が増加し、水不足が深刻化。
 →都市用水の供給が必要
・ 手賀川・坂川流域の急速な都市化等により、内水被害が増大。
 →手賀川及び坂川流域の内水排除
・ 昭和49年から27年連続で全国の湖沼ワースト1。
 →手賀沼及び坂川の急速な水質浄化が必要
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投稿者: odaya
我孫子市鳥の博物館と隣接する研究機関である山階鳥類研究所は、国内最大の鳥類の標本コレクションを管理されており、その標本データベースをオンラインで公開されています。
山階鳥類研究所の多大なご協力を得て、2018年から我孫子市鳥の博物館の所蔵する標本をこのデータベースで検索・閲覧できるようにする準備を進めてまいりましたが、このたび、2183点の情報をどなたでも検索・閲覧できるようになりました。

その方法を以下にご説明します。
まず、山階鳥類研究所標本データベースのページにアクセスしてください。
https://decochan.net/

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▲山階鳥類研究所標本データベースのトップページ。

トップページ左上の「キーワード検索」のタブをクリックすると、データベースからに登録されている標本の情報や画像を検索することができます。

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▲キーワード検索の画面。

「詳細条件で検索」の「所属」の2つのチェックのうち、あらかじめ入っている「山階鳥類研究所」のチェックを外して「我孫子市鳥の博物館」だけにして検索すると、鳥の博物館に所蔵している標本の一覧が表示されます。

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▲我孫子市鳥の博物館の標本の検索結果。

このうち、標本番号が「ACMB-00011」となっている標本をクリックすると、次のように、標本の採集場所や採集日の情報、標本やそのラベルの情報を閲覧することができます。

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▲標本の採集場所や採集日の情報。

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▲標本と標本ラベルの画像。クリックすると拡大して表示できる。

これまでは、一般の方に見ていただけるのは展示室に公開されている標本だけでしたが、今後は、収蔵標本の多くについて、どのような標本を収集しているのをオンラインで見ていただけるようになりました。今後、さらに公開する標本の範囲を広げて、アップデートを行っていく予定でおります。

このデータベースのご利用にあたっての注意は、トップページの下部と、以下のページをお読みください。
https://decochan.net/index.php?p=0
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投稿者: someya
 毎年手賀沼周辺で開催している(2020年はコロナ禍のためリモート開催)鳥のお祭り「ジャパンバードフェスティバル」。
 2019年に行われました「ジャパンバードフェスティバル2019」が「第25回ふるさとイベント大賞」の大賞【内閣総理大臣賞】を受賞しました。2021年3月4日にオンラインで表彰式が開催されました。鳥をテーマにしたイベントでは来場者数、出展数ともに国内最大級となっていることなどが評価されたポイントです。その他詳細はジャパンバードフェスティバルのウェブサイトをご覧下さい。
 鳥の博物館では1階ホールにて、受賞記念の展示を行っています。3月31日水曜日までの展示です。4月以降はアビシルベ(4月1日から4月15日)、水の館(4月16日から4月29日)、アビスタ(4月30日から5月12日)の順に賞状と盾が巡回します。ぜひご覧下さい。
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投稿者: someya
 本日、企画展「第16回友の会展〜日本の四季を彩る鳥たち〜」について取材がありました。チバテレ3チャンネル(千葉テレビ放送)「シャキット!」で放送されます。鳥の博物館友の会会長の木村稔さんが展示内容を紹介しました。会員のみなさんはコロナ禍の中、工夫しながら活動されています。その成果をぜひご覧下さい。友の会展は3月14日(日)まで開催しています。

★チバテレ「シャキット!」
放送予定日:3月12日(金)
毎月1回午前6時45分から午前8時放送。我孫子市の魅力を発信するコーナー「あびこナビ」は午前7時頃から約5分。
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投稿者: someya
 先月、地域の年中行事「オビシャ」を見て来ました。私が住んでいる地域のオビシャには男オビシャと女オビシャがあり、私は女オビシャに行きました。オビシャは元来、的射でその年の豊凶を占う行事ですが、私の地域では以前から的射は行っていません。
 行事の事前準備として、当日に使う「鶴亀」と呼ばれる飾りがつくられます。簡単に言うとカメの甲羅模様を描いた聖護院大根に松、竹、梅を刺し、折り鶴などを飾るというものです。今回は父がカメの甲羅模様を描く係です。私に「カメの甲羅の模様ってどんな感じだ?」と聞いてきた理由がよく分かりました。
 大根に松竹梅を刺す…聞いただけではもう何が何だかわかりません。我が家で栽培した聖護院大根を使い、父が描いたカメの甲羅模様…。百聞は一見に如かずということで、オビシャの見学に行きました。オビシャには流山市立博物館の方が調査に入られていました。ラッキーなことに調査の様子も見学できることになりました。
 現在、親の世代が中心に行っていて、子どもの頃からオビシャの話を聞いていた私は身近に感じるものの、行事に入らせてもらうのは初めてでした。「みんなで集まってご飯を食べるもの」と聞いていましたが、いやいや、なんだかいろいろやっています。母が当番ということもあって、気になることは遠慮なく聞くことができました。ここには書ききれませんので、詳しい内容には触れませんが、充実した時間を過ごすことができました。
 気になっていた「鶴亀」ありましたよ!不動明王の描かれた掛け軸の前に鎮座していました。オビシャ終了後に撮影した実物がこちらです。
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▲カメの頭やあしはゴボウです
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ウメの枝にアオキの芽が刺してありました。
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私「これって…」
オビシャ出席者「ウグイスを模したものだよ」
 でました!ウメにウグイス事件(自分の頭の中での勝手な名称)。梅の木によくやってくる黄緑色の鳥はメジロであってウグイスではありません。でも「梅に鶯」を間違いだと言い切るのも難しい。「梅に鶯」とは取り合わせがよく、調和するものの例えです。ウグイスの声と梅の取り合わせは確かに似合っています。しかし、ウグイスは枝先に頻繁にとまって鳴くような鳥ではなく、梅にとまっている黄緑色の鳥と言えばメジロの方がしっくりきます。
 ウグイスとメジロの標本を見比べます。
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▲うぐいすきなこのような黄緑色ではなく茶褐色
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▲黄緑色で目のまわりの白いリングが特徴
見比べてみると全然違う鳥であることがわかります。ぜひ展示室で両者の違いをご確認下さい。
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投稿者: odaya
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2月20日に、2021年2月のテーマトークを実施しました。これまでと同様にYoutube liveを用いたライブ配信で行いました。

今回は、山階鳥類研究所自然誌研究室研究員の浅井芝樹さんに、「性別が4つある?! 〜ノドジロシトドの繁殖生態〜」と題して、アメリカの鳥類学者であるElaina Tuttleさんたちによって行われた研究の紹介をしていただきました。

ノドジロシトドは北米に生息するホオジロ科の小鳥です。この鳥には羽色に「白色型」と「褐色型」の2タイプがあることが知られており(羽色型といいます)、これは雌雄に関係がないものです。雄の繁殖行動は、羽色型によって異なることが知られており、白色型の雄はヒナの世話をせずによく囀り、周辺のなわばりの雌とつがい外交尾を試みようとする一方で、褐色型の雄は雌と協力してヒナの世話をし、つがい相手の雌を他の雄からよく防衛します。さらに興味深いことに、ノドジロシトドの雌雄は、互いに異なる羽色型の相手としか番いにならないそうです(異系交配といいます)。すなわち、白色型の雄は褐色型の雌と、褐色型の雄は白色型の雌としかつがいになりません。羽色型のタイプの個体とつがいになったケースはほとんどなく、このような場合には育つ子の数が少なくなると予想されるとのことです。
このような不思議な社会は、どのように維持されているのでしょうか?

このカギは、ノドジロシトドの2番染色体の一部に「逆位(ある1つの染色体に2か所の切断が起こりその断片が反対向きに再構成されてしまうこと)」が起こったことでした。これによって、この染色体では減数分裂の際に組換えが起こらなくなりました。そのため、この部分にある羽色型と繁殖行動をつかさどる遺伝子は、そのまま子に伝わることになります。これは、性染色体のふるまいとよく似ています。そのため、ノドジロシトドでは、羽色型(2つ)×性別(2つ)=4つの性別があるように見えるということなのです。
このような特殊な性別を持つ生物はほとんど知られておらず、生物においてどのように性決定が進化したかを探るうえで重要な発見であるということでした。

講演の後には、ノドジロシトドに見られる羽色型が地理的に偏りがあるかどうかや、なぜ同類交配で適応度が下がるのかなどについて質疑応答が交わされました。

今回のオンライン講演は、最大同時に82人の方に視聴いただきました。ご視聴いただいた皆様、ありがとうございました。今回のライブ配信は、以下の同じURLから3月6日までご視聴いただけます。https://www.youtube.com/watch?v=dMvynSffk5U&feature=youtu.be

3月のテーマトークは、山階鳥類研究所の小林さやかさんに、山階鳥類研究所に保管されている標本のうち、明治時代にアメリカのスミソニアン博物館から日本にやってきた標本ついてのご研究を紹介していただきます。視聴方法などについては、山階鳥類研究所・我孫子市鳥の博物館ウェブサイトで改めてご案内します。次回もぜひご視聴ください。

参考資料:
今回ご紹介いただいた論文は以下の通りです。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26804558/

この論文の解説記事(英語)はこちらから読めます。
https://www.nature.com/news/the-sparrow-with-four-sexes-1.21018
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投稿者: saito
 鳥の博物館友の会より、簡易電動リフトを寄贈していただきました。これは、鳥の博物館30周年を記念してのご厚意によるものです。
 この装置の導入により、大型の標本を高さのある収蔵スペースに、安全にスムーズに移動することができるようになり、作業効率が大いにアップしました。大変感謝しております。
 寄贈に先立ち1月20日(水)、友の会会長から教育長へ目録の贈呈が行われました。

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教育長室での目録贈呈式の様子(左から鳥の博物館館長、教育長、友の会会長)

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寄贈していただいた電動簡易リフト
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投稿者: odaya
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1月16日に、2021年1月のテーマトークを実施しました。これまでと同様にYoutube liveを用いたライブ配信で行いました。

今回は、山階鳥類研究所副所長の尾崎清明さんに、「沖縄のアジサシ類の渡りの謎」と題してお話しいただきました。
尾崎さんは1970年代から沖縄島で繁殖するアジサシ類、特にベニアジサシとエリグロアジサシの調査に携わってこられました。繁殖地での標識調査によって、国内での繁殖地間の移動などが調べられてきましたが、その正確な越冬地は長年不明のままでした。

2002年にオーストラリアで行われた調査によって沖縄の繁殖地での標識個体が再捕獲されたことによって、ベニアジサシがオーストラリアのグレートバリアリーフの南端付近で越冬していることが初めて明らかになり、その後も多数の標識回収記録が得られているそうです。さらに、2012年から行われたジオロケーター(緯度経度を推定するために日照時間を記録する記録計)を装着する調査によって、沖縄で繁殖するエリグロアジサシはインドネシアのボルネオ島やスラウェシ島の周辺海域で越冬していることが明らかになりました。

講演の後には、オーストラリア周辺で繁殖しているベニアジサシは日本に渡ってこないのか、台風の移動を予測することはできるのか、などについて質疑応答が交わされました。

今回のオンライン講演は、最大同時に100人の方に視聴いただきました。ご視聴いただいた皆様、ありがとうございました。今回のライブ配信と同じ映像は、以下の同じURLから1月30日までご視聴いただけます。https://www.youtube.com/watch?v=yAdX6tXJKtY&feature=youtu.be

2月のテーマトークは、山階鳥類研究所の浅井芝樹さんに、北米のノドジロシトドという小鳥のちょっと変わった性別のしくみについての研究を紹介していただきます。視聴方法などについては、山階鳥類研究所・我孫子市鳥の博物館ウェブサイトで改めてご案内します。次回もぜひご視聴ください。