3月17日に、鳥の博物館の市民スタッフと友の会の方を対象に、標本の製作講座を実施しました。昨年に続いて、山階鳥類研究所 自然誌研究室の岩見さんを講師にお迎えし、13名の参加者のみなさんにウミネコの仮剥製標本の製作に挑戦してもらいました。

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まず、岩見さんから、標本とは何か、鳥の標本はどのように集められ、どのようにつくられるのかについてお話しいただきました。

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鳥の体を模して造られたぬいぐるみを使って、鳥の標本の作り方をわかりやすく説明いただきました。

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1人につき1羽のウミネコの成鳥を剥いていきます。小さな鳥と違って大きいので作業がしやすい一方、個体によっては脂肪がたくさんついていて処理が大変でした。

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皮むきが終わったら、取り出した胴体部分を解剖して生殖器を確認し、性別を判定します。ウミネコのような雌雄で外部形態が大きく異ならない種では、この段階でチェックしておくことがとても重要です。

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翼についた筋肉の除去の仕方を学びました。適切な状態で保存するためには、手足や頭部についた虫に食われる可能性のある組織は取り除かないといけません。長く保存して利用される標本をつくるためには、根気よく作業を続ける必要があります。

今回は鳥が大きく脂がついている個体が多かったこともあり、完成にはいたりませんでしたが、標本作製において大事な皮むきの過程を体験していただくことが出来ました。今後もこのような講座を開催して、標本作製の方法について普及を進めていきたいと思います。講師の岩見さん、参加された皆さま、お疲れさまでした。