20180310-themetalk20180310.jpg
 今日のテーマトークは、山階鳥類研究所自然誌研究室専門員の平岡考さんにお話いただきました。
 テーマは、「幻の絶滅鳥ミヤコショウビンの謎を追う」。山階鳥類研究所所蔵の標本資料の中で、ある意味で最も有名なミヤコショウビンについてのお話でした。この種が存在していたという証が、この標本1点だけということから、如何に希少な標本かが分かります。その希少さが、その存在根拠を薄いものとしていることも事実です。
 平岡さんは、ミヤコショウビンという種の存在をめぐる疑念の一つ、採集地について、採集者である田代安定の記録を追ったそうです。しかし、宮古島で採集したのか、あるいは別の場所(例えばグアム)で採集したのか、決定的な証拠は見つからなかったそうです。
 DNA分析により、いずれミヤコショウビンという種の真偽に決着が着く日が来るかもしれません。当時の時代背景を考えると、とにかく世界中の人跡未踏の地にどんな鳥が生息しているのかを把握することが鳥類学上重要で、新種を次々と発見し記載することにエネルギーが注がれた事が想像できます。そうした成果の一つ一つを糧に、現代の鳥類学は進歩して来たのでしょう。

※山階鳥類研究所のミヤコショウビンに関して、同研究所のホームページに平岡さんによる紹介記事がありますので、ぜひご覧ください。
http://www.yamashina.or.jp/hp/yomimono/shozomeihin/meihin17.html