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 今日のテーマは、「明治・大正期の鳥類標本−帝室博物館コレクション−」で、山階鳥類研究所自然史研究室の小林さやか専門員にお話いただきました。
 山階鳥類研究所の標本は、さまざまなコレクターや施設のコレクションによって構成されています。その中の一つ、帝室博物館コレクションについてのお話でした。
 帝室博物館は、現在の東京国立博物館の前身の博物館であり、明治33年(1900)から昭和22年(1947)まで運営され、大正14年(1925)まで天産部と呼ばれる自然史部門がありました。さまざまな歴史的経緯を経て、そこに所蔵されていた鳥類標本約3,300点が山階鳥類研究所にあるそうです。
 その中には、例えば現在絶滅したと考えられるエスキモーコシャクシギや、絶滅したリュウキュウカラスバトのタイプ標本(種を記載する時の基準となる重要な標本)など重要な標本が多数含まれているそうです。
 ただし、山階鳥類研究所所蔵の台帳や標本ラベルの記載だけではコレクションの全体像が不明なため、小林さんは、各方面へ出向いて、当時の採集日誌や台帳を調べ、採集者や採集場所、採集日などの情報を収集し、帝室博物館コレクションをより完全なものにするための研究を続けているそうです。