October12日Saturday: テーマトークを開催しました
今日のテーマは「DNAから分かるカワラヒワの地理的変異」、山階鳥類研究所自然誌研究室の齋藤武馬さんにお話いただきました。
これまで記載されていたカワラヒワの亜種を、DNAの塩基配列を用いた系統分類の手法で再検討した結果について紹介してくださいました。
現時点までの結果では、亜種オガサワラカワラヒワは、別種と呼べるくらい、古い時代に分岐したことが分かり、一方、亜種オオカワラヒワは、ほとんどちがいが検出されなかったそうです。今後、亜種オオカワラヒワについては、より進化速度の速い遺伝子の領域を調べることが、今後の課題とのことでした。
また、別種ほどちがいのあるオガサワラカワラヒワは、現在、小笠原諸島や硫黄列島のごく一部の属島で繁殖するのみで、個体数も数百羽と推定されており、絶滅の危機に瀕しているそうです。
October 7日Monday: 鳥博セミナー開催しました
企画展「鳥の骨展−空飛ぶ骨組み−」関連セミナーを行いました。
テーマは、「ハチドリの飛行のヒミツ−飛行生物のエアロダイナミクス−」。講師は、生物の飛行のエアロダイナミクスがご専門の千葉大学助教の田中博人さん。飛行の力学の基礎から、スケールによる飛行方法のちがい、ハチドリの飛行の特徴、今後の研究の方向性など、幅広い内容を分かりやすくお話いただきました。鳥の博物館の利用者には、空飛ぶことに関心のある方がさすがに多く、席はほぼ満席でした。工学と生物学の双方の視点から鳥の飛行を調べると、お互いの情報が次なる研究を誘発し、新たな世界が開けることを改めて感じさせる、興味深いセミナーでした。