博物館3階の展望テラスで栽培しているガシャモク*に花が咲いています。
 花序にはいろいろな段階が見られますが、大別すると、
1.半分水に浸かった雌しべの柱頭だけが目立つ時期(写真1)。
2.水面に高く飛び出し、花皮が開き、雄しべからさかんに花粉を水面にまき散らす時期(写真2)。
3.受粉した果実が熟し、水中に沈んでゆく時期(写真3)。
 以上の各段階が見られます。
 さて、ガシャモクの受粉はどのタイミングでどのように行われるのでしょうか?
 この写真からは、水媒花で雌性先熟(雌しべの方が雄しべより先に熟す)だと思われます。


(写真1)


(写真2)


(写真3)


※ガシャモク
 かつて手賀沼では、緑肥として刈り取られていたほど繁茂していたヒルムシロ科の水草です。水質汚濁により、一時手賀沼では絶滅してしまいましたが、埋土種子からの偶然の発芽をきっかけに、「手賀沼にガシャモクとマシジミを復活させる会」の手により増殖、復活が試みられ、今では、多くの市民がこの増殖に参加しています。
 ガシャモクは、現在、国外では中国雲南省の大理、国内では福岡県の北九州市のお糸池、それと手賀沼でしか見られません。
 鳥の博物館でも、手賀沼再生への一貫として、ガシャモクの増殖と復活に協力しています。