5月18日、鳥の博物館の職員通用口から3mほど離れた駐車スペースの脇に、見慣れない段ボール箱が置かれていました。中を見ると、弱り切ったフクロウの成鳥が入っていました。誰かが保護した、または違法に飼育していたフクロウを遺棄していったものと思われます。現在までのところ、拾得者から当館宛への連絡はありません。

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▲衰弱したフクロウ(強制給水の際に撮影)

千葉県における傷病鳥獣の保護は、保護した人が責任を持って行うことになっています。
https://www.pref.chiba.lg.jp/shizen/choujuu/syoubyou/hogo.html

当館は動物病院でも救護施設でもありませんので、治療や飼育をするための設備もスタッフもおりません。今回のように傷病鳥獣を無責任に押しつけられるような事態はこちらとしては大変困ります。連絡をいただけず、拾得状況や拾得場所が不明な場合、治療に必要な情報が得られず、もし回復したとしても野外に放鳥することができません。

今回は、休日・祝日は千葉県の担当窓口が開いていないため、一時的に預かって給水等の処置を行ったあと、21日に千葉県の担当者を経由して動物病院に引き渡されました。18日にすぐに連絡をいただけなかったため、フクロウは大変衰弱しており、回復の見込みがあるかどうかは分かりません。今回のような方法での野生動物の保護は、保護される鳥にとっても百害あって一利なしと言えるでしょう。

これから多くの鳥が巣立つ時期になり、ヒナの誤認保護が増える季節です(ヒナの保護についてはこちら)。今後、このように無責任に当館に動物を遺棄された場合、警察に通報することも検討します。傷病鳥獣の保護を行われる方は、上記の千葉県のウェブサイトに書かれている手順を順守し、きちんと行っていただきますよう、お願いをいたします。