鳥の博物館開館から24年、この間に鳥類の系統についての情報は飛躍的に多くなり、分類学についても新たな仮説に基づいた提案がされるようになりました。そこで、6月3-4日にかけて当館3Fの世界の鳥コーナーの目(もく)の並び順を変更する作業を行いました。どこがどう変わったか、かいつまんでご紹介します。

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キジとカモが、ダチョウ目の次に並べ替えられました。最近の研究では、キジとカモはまとめてGallianseresというグループにまとめられ、ダチョウなどの古口蓋類から最初に分岐した系統であることが支持されています。

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かつてコウノトリ目はサギやトキ科を含む大きなグループでしたが、最近ではこれらはペリカンにより近く、コウノトリ科は単一のグループを形成することがわかってきました。さらに、ペリカン目に入れられていたウ・カツオドリ・グンカンドリはまとめてカツオドリ目として独立して扱われています。

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ハヤブサはタカから離され、スズメ目の前の狭いスペースに押し込まれてしまいました。
これまでハヤブサはタカに近縁であると考えられてきましたが、近年のDNA配列や換羽の研究からは、スズメ・インコを含む新しい鳥類のグループに近いことが分かってきました。この説を採用して、インコをスズメ目の前に配置し、さらにハヤブサをキツツキとインコの間に配置しました。

並び替えに関連して、3つの新しい標本を展示しました。

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これまで、ヨーロッパ産のシュバシコウを展示していましたが、新たにアジアのコウノトリを加えて展示しました。

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これまでトキ科の展示標本はショウジョウトキ1点でしたが、クロツラヘラサギを新たに展示しました。

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昨年新しく入った資料、ミナミジサイチョウの本剥製を展示しました。迫力ある姿とかわいい(?)まつ毛を、ぜひ見に来てください!